2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

更年期は、ビッグ・ファーマの提供でお送りしました……

過去7年間に、いわゆる“更年期のホルモン代替療法”で乳がんになったとして 当該ホルモン剤発売元のWyeth社(去年Pfizerが吸収合併)を訴えた人は13000人に上る。 この7月、NY Times と Public Library of ScienceというNPOとが それらの訴訟文書の公開を求め…

2009年12月11日の補遺

日本語情報。臓器移植法を問い直す市民ネットワークが「“脳死”は人の死ではありません!!」というリーフレットを作成。 http://fps01.plala.or.jp/~brainx/abdleaflet200912.pdf こちらも日本語情報で、米国MA州のナーシング・ホームで98歳の女性が100歳の…

中流の子なら行動療法、メディケイドの子は抗精神病薬……?

近く論文発表される、これまでで最も広範な調査で 米国のメディケイドに入っている貧しい子どもたちには、 中流階級の子どもなら長期的な療法が処方されるような比較的経度の精神疾患に対して より高い頻度で抗精神病薬が処方されている可能性があることが分…

事業仕分けの科学研究予算問題から考えること

「インドで考えたこと」で考えたことの中でも触れたことなのだけど、 先日の事業仕分けの際に、 スーパーコンピューターを始めとして科学研究の予算が削減と判断されたことに対して 科学者の方々から大きな批判が起こった。 あの時の、例えばノーベル賞受賞…

「マーケティング技法使ってワクチン接種率を上げよう」とDiekema医師

今頃になって、ひょっこりと、Diekema医師が5月に書いた共著論文を見つけた。 掲載誌は、2006年に最初のAshley論文が掲載されたのと同じで Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine。 タイトルは Social Marketing as a Strategy to Increase Immuniza…

2009年12月8日の補遺

日本語情報。日本ALS協会副会長・橋本操さんのインタビュー記事(中日新聞・2009年11月27日夕刊)「死の尊厳」よりも、まず生きること。生きたいのに呼吸器をつけないことを選択させられて死んでいくしかない人がいる、という事実。特に女性が……というところ…

文学の言葉でしか表現できない部分もあるのかもしれない……介護者の思い

「介護保険情報」に隔月で椋とんびさんが書く「とんびの目」という書評があって、 独特のしなやかな視点を楽しませてもらっている。 12月号の「とんびの目」で 「もう私のことはわからないのだけど」という本が紹介されている。 著者は姫野カオルコさん。 …

自殺幇助ガイドラインの取り消しを求め、障害当事者が最高裁に提訴(英)

二分脊椎などの障害で車椅子生活を送る Alice Davis さんが、8日、 最高裁に対して訴えを起こし、 Debby Purdy さん訴えを受けてDPPにガイドラインの作成を命じた 7月の法務卿らの決定の取り消しを求めました。 当時のニュースなどはこちらの7月31日の…

「炭鉱で働こうと代理母をやろうと自分の身体なんだから勝手」と Fost

Norman Fostのことを知ったのはAshley事件がきっかけだった。 たぶん、日本ではほとんどノーマークの倫理学者なんじゃないかと思うのだけど、 私は2007年の2~3月頃から Norman FostこそがAshley事件の筋書きを裏で書いた人物ではないかと睨んでいるので、…

2009年12月7日の補遺

英国で肥満のために保護プログラムに入れられていた子ども2人について、肥満の原因は遺伝子の問題であり、親のネグレクトでも食べすぎでもないことが判明。2人は保護プログラムから外された。 http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/health/article69466…

2009年12月6日の補遺

癌や喘息など多くの病気が増加している原因は、身近な環境に潜んでいる化学物質にある可能性を、Mount Sinai 医大のセミナーで。NYTのNicholas KristofのOp-Ed。面白い箇所があって、「アジア女性は乳がんの発症率が低いのだが、米国で生まれ育ったアジア女…

2009年12月4日の補遺

牛肉から人に感染しないように、肉牛に打つE coliバクテリア・ワクチンの実験が始まったんだとか。:人はワクチンを打たなくても、こうやって肉を通じて知らない間に摂取させられる化学物質が増えていく……。去年、E coliで人がたくさん死んだのは、たしかホ…

「国際水準の移植医療ですでに起こっていること」を書きました

「国際的水準の移植医療」ですでに起こっていること 7月の国会で脳死・臓器移植法の改正が決まった。最も大きな改正となるA案を支持してきた移植医療の専門家や患者団体からは「これで日本でも国際水準の移植医療が実現される」と喜ぶ声がしきりだった。 し…

「私の中のあなた」映画と小説のレビューを書きました

「私の中のあなた」を見る・読む ニック・カサヴェテス監督、キャメロン・ディアス主演のハリウッド映画「私の中のあなた」が日本でも10月9日に公開された。主人公の11歳の少女アナは、白血病の姉ケイトの治療に必要な臓器のドナーとして遺伝子診断と体外受…

英国保健省の「社会ケア緑書」(7月14日付)

前のエントリーで触れている英国保健省のグリーンペーパーについては いつもの「介護保険情報」に書いていたのを思い出したので、 とても簡単なまとめですが、これを機に以下に。 英国保健省から「社会ケア緑書」 ナショナル・ケア・サービス創設を提言 英国…

英国ケアの質コミッションから初のソーシャル・ケア評価報告書

こちらのエントリーで紹介したように、英国では4月に 社会ケア監査コミッション(CSCI)、医療コミッション、精神医療法コミッションが一本化されて、 ケアの質コミッション(CQC)が誕生しました。 CQCとして初めてのソーシャル・ケアの質評価報告書が 12月…

「代理出産 生殖ビジネスと命の尊厳」を読む

「代理出産 生殖ビジネスと命の尊厳」 大野和基 集英社新書 2009年 米国の代理出産の実態をルポしたもの。著者は冒頭、 2007年に厚労省が行った意識調査で国民の約半数が代理出産を認めてもいいと答えたことに触れて、 どれほどの知識や情報を持ち、その…

2009年12月1日の補遺

オランダの尊厳死法を巡って、民俗学者であり弁護士である女性がさまざまな立場の人たちにインタビューを重ねて、医師の責任と患者の自己決定権の間にあるジレンマについて考察した本、に関する長文記事。目を引いたのはオランダで去年1年間に医師らが報告し…

米国のティーンの間に処方薬の濫用が広がっている

米国のティーンが処方薬や薬局で買える薬を濫用して オーバードースで病院に運び込まれるという事例が増えている。 偽の処方箋をもって病院の裏にある闇の薬局に行けば、自由に買えるんだとか。 こちらの記事では 怪我をした際に処方された痛み止めで味を占…

米国の精神障害者の危機介入に機動危機チーム

今日のNHKクローズアップ現代が英国の精神医療のアウトリーチを特集していて、 その中で危機解決チームが取り上げられていたので、 前に仕事の関係でちょっとだけ調べてみたことがある米国の危機介入チームのことについて書いた 2008年12月9日のエントリーを…