2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「選別的中絶」というより「選別的子育て」

Lindemannのエッセイを受け、 同じくHastings CenterのブログBioethics Forumに、 Alice Dreger& Joseph A. Stramondoが“Selective Parenting”(10月23日)を書き、 Lindemannの主張は選別的堕胎(selective abortion) というよりも 選別的子育て(selecti…

ケア負担になう母親に中絶の選択権?

以前のエントリーで紹介したイタリアの双子の堕胎ミス事件について、 8月にHastings Center関連のブログに興味深いエッセイが発表されていました。 Hilde Lindemann, Shotgun Weddings 著者はまず、 選択的堕胎を認める社会は 障害者に対して「君たちはもう…

Ashley父は実の父親ではない?

かえすがえすも、 「お気に入り」に入れたままでプリントアウトしておかなかった おのれの愚かさが悔やまれてならないのですが、 いまさら言っても仕方がないことを、やっぱり気になるので書きます。 2ヶ月くらい前だったか、もう少し最近だったか、 「ナー…

Katieケースを巡る単純な疑問

前回のエントリーで、Gunther医師へのAshleyの親の弔辞を紹介しましたが、 実は、Ashleyの親のブログを久々に覗いてみようと思いついたのは、 英国のKatieのケースについて何かコメントしているのでは、と 考えたためでした。 そんなコメントは結局なかった…

Dr.GへAshley父の弔辞

Ashleyへの一連の医療処置を担当したGunther医師の自殺を受けて、 10月12日に両親のブログを確認した際にはなかったのですが、 どうやら私が覗いた直後にアップされたようで 12日付で以下のような弔辞が書かれていました。 We are deeply shocked and …

「家族と法」から考える 2

「家族と法」(二宮周平)の中に「親権とは何か」という項目があるのですが、 その中から。 一九八九年、国連で採択された子どもの権利条約において、子の権利主体性が確認された。子の権利を守るとはいっても、それは、子が未熟、未発達な存在だから保護す…

「家族と法」から考える 1

書店でタイトルを見た時にAlisonとKatieの顔が浮かんだので、 「家族と法---個人化と多様化の中で」(二宮周平 岩波新書)を買ってみました。 日本の話にはなりますが、家族の中での権利の衝突を考えてみる手がかりになるかと思って。 第5章の「人の世話を…

医療における子どもの権利にガイドライン(英)

9月27日のBBCニュースDoctors told take young seriously によると、 英国医事委員会が医療における子どもの権利に関する指針を出し、 医師の責任と役割を明確にしたとのこと。 3ヶ月かけて350人の子どもと600人の医師、親、各種団体に調査を行…

選ばないことを選んだ夫婦の記録

ちょっと前の本ですが、 ”Choosing Naia: A FAMILY’S JOUENEY” (Mitchell Zuckoff, Beacon Press 2002) 「いのち輝く日-ダウン症児ナーヤとその家族の旅路」 (大月書店 2004) ノンフィクションです。 お腹の子どもがダウン症だと知りながら 「選ばないこと…

間違って双子の健常な方を堕胎したから……

間違えて双子のうち障害がない方を堕胎してしまったから、残ったダウン症の胎児も堕胎した……という話が6月にイタリアで。 母親は38歳。妊娠18週目に双子のうちの一人がダウン症であると知らされ、その子について堕胎を希望。ところが医師が誤って障害が…

久々にKatieのケースについて

しばらく静かだった(私がヒットしていないだけかもしれませんが)Katie Thorpeの子宮摘出を巡る議論ですが、 10月30日付で脳性まひのDavid Reillyという人が書いたものがひっかかりました。 The Herald Why can’t you let Katie grow up? Reillyが呈し…