2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Quinlan事件からAshley事件を考える 3 :最高裁

3.クインラン事件 NJ州最高裁(1~4の3) 1976年1月から州最高裁での審理開始。 原告側弁護士アームストロングが持ち込んだ新たな論点は「無益な医療」。 通常/通常以上の医療の区別から、論点を医療の無益性へと転換し、以下のように主張した。 (1990…

Quinlan事件からAshley事件を考える 2 : 高裁

2.クインラン事件 NJ州高裁 (1~4の2) 1975年4月NJ州のカレン・クインランさんが 交通事故で昏睡状態となり人工呼吸器を装着。 (4月末、ベトナム戦争ではサイゴン陥落) 9月、呼吸器をはずしてやりたいとする父親が 自分を後見人として認めるよう求…

Quinlan事件からAshley事件を考える 1

「死ぬ権利 ―― カレン・クインラン事件と生命倫理の転回」(香川智晶 勁草書房)を読んだ。 クインラン事件は 英語の勉強に熱心だった10代の終わりから20代にかけての事件なので 「事故で植物状態になった女性の親が呼吸器を外したいと裁判ですったもんだが…

2010年7月11日の補遺

昨年大みそかのモンタナ州の自殺幇助合法判決を州法化する法案と、禁止する法案とが次の州議会に提出されそう。詳細はまだ不明。 http://billingsgazette.com/news/state-and-regional/montana/article_f72e6544-8af1-11df-9802-001cc4c002e0.html http://mi…

2010年7月8日の補遺

昨日の補遺で拾ったイランの投石処刑(姦淫の疑いで既に99回の鞭打ちを受けた女性を投石で死刑に)について、国際社会から非難の声が上がっている。:こうしてイランと国際社会を対立させ、戦争を容認する空気を作る意図……? と考えはするものの、知った以上…

2010年7月7日の補遺

インドの製薬会社のシェアが急速に伸びている。:そのうちビッグファーマの多国籍化で、ある薬の製造責任がどの段階のどの国のどの会社にあるのかが曖昧になる……みたいなことは? http://www.nytimes.com/2010/07/07/business/global/07indiadrug.html?_r=1&…

英国の医療教育機関が自殺幇助合法化反対を確認

【7月22日:訂正とお詫び】 コメント欄でniniさんからご指摘をいただくまで、全く気付かずに 別組織を混同していました。 the Royal Society of Medicineは英国医師会(BMA)ではなく 200年の歴史を持つ、医療職の教育・研修を担う独立機関。 カンファを開い…

「ケアラー連盟結成宣言」

「ケアラー連盟結成宣言」 6月7日のケアラー(家族など無償の介護者)連盟の発足集会で読み上げられたもの。 わたくしたちの社会には、暮らしていくのに介護が必要な人がいます。障害を持つ人や病気やけがで療養中の人、支えが必要な高齢者などです。 そして、…

「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました

「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」 ワクチンを拒否する米国の親たち 4年前にインターネットで英語ニュースを読み始めた時、私は日本では想像もできない事象に、いちいち驚いたり首を傾げたりしたのだけれど、その頃、頭をひねったものの1つ…

Savulescuの「臓器提供安楽死」を読んでみた

昨日のエントリーで生命倫理会議のシンポ情報をアップした際に、 以下のエントリーを思い出し、 「生きた状態で臓器摘出する安楽死を」とSavulescuがBioethics誌で(2010/5/8) 遅ればせながら探してみたところ、 安楽死臓器提供を提唱したSavulescuの元論文を…

公開シンポジウム: 「改定臓器移植法」施行を問う

公開シンポジウム:「改定臓器移植法」施行を問う 主催:生命倫理会議 7月17日、「改定臓器移植法」が施 行されます。私たち生命倫理会議は、生命倫理の教育・研究に携わる大学教員からなる組織で、国会におけるこの法改定をめぐ る意見聴取・審議が行わ…

DignitasのMinelliが「求められれば健康な人の自殺幇助も」と、またBBCで

BBC Radio 4 のインタビュー(7月2日)で Dignitasの創設者 Ludwig Minelliが 「終末期の決定は健康な人にも適用されるべき」 「ターミナルな病気の人を巡って自殺幇助を云々している 英国の議論は時代遅れ」 「例えば、非常に高齢の人の場合、 健康であって…

AP通信がドイツの「自殺幇助合法化」報道を訂正

以下の2つのエントリーでこの話題を取り上げた際に、私も疑問を呈しましたが、 ドイツ最高裁が本人意思なら延命治療停止は合法との判断(2010/6/25) ドイツの延命治療停止判断を自殺幇助とグズグズに書く NY Times(2010/6/29) AP通信が、 6月25日の記事(上記…

2010年7月2日の補遺

【自殺幇助関連】 自殺幇助をした元GPの不起訴、英国版 Dignitasを作ろうとした医師の免許差し止めの2件を受けて、またぞろ「法律の明確化」を巡る議論が起きている。こちらは、議論を概観するもの。 http://www.economist.com/node/16485582?story_id=1648…

2010年7月1日の補遺

女性性器切除は米国では違法であるにもかかわらず、後を絶たないことを憂慮し、性器切除目的で少女を国外へ連れ出すことを違法とする法案が下院に提出される。 http://www.nytimes.com/2010/07/01/opinion/01thu4.html?th&emc=th 米国小児科学会のメンタルヘ…

知的障害者の腎臓がんを1年もほったらかし、でもメディアが騒ぐと即、手術(豪)

首都キャンベラ在住の、 知的障害のある75歳の男性 Allan McFarlaneさんは 去年5月に癌の疑いが濃厚で、2週間以内に手術することになると告げられた。 しかし1年たっても腎臓にステントを挿入する手術も生体検査も待機状態のまま。 ついに先月、McFarlaneさ…