シアトルでも、モンサントとゲイツ財団への抗議行動

先月、世界の400都市、50カ国で
モンサントへの抗議行動が行われ、
米国シアトルでも2000人が集まった。

それらの人々は
モンサントを支持するゲイツ財団にも批判を向けたことになる。

ゲイツ財団はモンサントの遺伝子組み換え(GM)作物によって
途上国の飢餓問題を解決しようと提唱しているが、

歴史的にも
GM種子は農業の持続性を損ない、
食の安全保障を脅かすことがすでに明らか。

GM種子は
貧困国の農夫に巨額の投資を強いるだけでなく
作物が次々に農薬への耐性を身につけて、
さらに強い種子と農薬を必要とするようになり、

結果的に飢餓を撲滅するどころか、
むしろ食料の不安定を永続化している。

さらに北米の農夫は
モンサントの特許侵害で次々に訴えられているほか、
5月にはオレゴン州で許可されていないGM種子の作物が発見され、
遺伝子汚染がすでに起こっていることも判明した。


真に貧困国の貧しい小規模農家を助けようとするなら、
作物の多様性を重視した従来型のアグロエコロジーが解決策。

記事の結論部分は以下。

Industrial agriculture continues to fall short of feeding the world but provides tremendous financial gains to Monsanto’s shareholders. It’s a shame the Gates Foundation, which many consider a local leading light, can’t see this. Until Monsanto and the Gates Foundation realize that sustainable agriculture, not GE seeds, is the solution to feed the world, many people around the globe will remain hungry.

工業型農業では世界人口を養うことができていないまま、一方でモンサントの株主には莫大な利益をもたらしている。ゲイツ財団のように地元の多くの人が尊敬するリーダーが、それを理解していないのは残念なことだ。GM種子ではなく持続可能な農業こそが世界人口を養うための解決策だとモンサントゲイツ財団とが理解するまで、世界中の多くの人が飢え続けることだろう。



ふむ……。

モンサントは、
GM種子とラウンドアップでは持続可能な農業にならないということを理解できていないから、
それでやり続けていることなのかなぁ。

ゲイツ財団も、それが理解できていないから
モンサントGM種子で途上国の飢餓救済を、と言っているのかなぁ。

以下のエントリーなどで見るように、モンサントの株主さんなんだけど、
そこのところ、この記事では「モンサントに資金を提供している」ゲイツ財団……て。

まぁ、記事の著者が
Seattle’s Community Alliance for Global Justiceに所属ということだから、
地元では露骨に批判するのがはばかられるのかもしれないけれど。


モンサントのあくどいショーバイで何が起こっているかについても、
以下のエントリーなどに ↓



ところで、
アグロエコロジーを検索してみると、
いつもお世話になっているtu_ta9さんが
2年も前にブログに詳細な情報を書いておられました ↓

アグロエコロジーが面白そうだ
ブログ「今日考えたこと」(2010/7/29)

で、tu_ta9さんのエントリーから定義を拝借してくると、

アグロエコロジーについて、「フードシステムの生態学」と定義される新しい学際的な学問領域であり、農場から農村景観、地域コミュニティまで視野に入れ、持続可能な食料生産・流通・消費を目指し、社会学文化人類学環境学倫理学、経済学も含むものであると説明

農場から食卓まで(Farm to Table)農産物が流れていくことによって、里山の生態系も、かかわる人びとの暮らしも豊かになることを目指す学問領域


なお、以下のコメント欄でtu_ta9さんに教えてもらった
6月25日の日本の官邸前での抗議行動の模様はこちら ↓
http://tpp.jimdo.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/2013-5-25-march-against-monsanto/