「将来の凶悪犯は幼児期から分かる」と刑法改革を提唱するドイツの脳神経科医

ドイツ政府の研究で犯罪者の脳を調査してきたDas Bild医師が、
Daily Mail 紙のインタビューで、

凶悪犯の脳スキャンではほぼ全例で中心葉の下部に黒い塊が見られ、
その部位こそが「邪悪帯(evil patch)」だと。

そうした部位に腫瘍ができたり損傷を負うことから犯罪行為が起きているもので、
腫瘍摘出手術を行えば、その人物は正常となった、

またはセロトニンなどの一定の物質がきちんと働いていないために
器質的な欠陥が起きている可能性もあるが、

いずれにせよ悪が生まれ宿るのは脳のその部分であることは間違いない、などと発言。

「もちろん、自動的にそうなるというのではなく、
暴力的な傾向を脳が補うこともあり、
そのメカニズムははっきりしない」と言いつつも、

「若い人の脳の前下部に発達障害があれば
その人は66%の確率で犯罪者になる。
ごく小さい頃から反社会的行動を予測することは簡単」とも。

Roth医師の研究とは、犯罪者を以下の3グループに分けたという。
心理的には健康でありながら、暴力や盗みや殺人が許容される環境で育った人。
② 世の中を脅威とみなし、精神に問題を抱えた犯罪者。
ヒットラースターリンのようなサイコパス

同医師は
すべてのサイコパスが生まれつきのものではなく、
多くは環境によって悪化したものだとしながら、

「幼稚園の時から精神的な衰退は始まるので
社会は彼らが犯罪者となる前に
そうした子どもたちと親に広く支援を行うべき」だとして、

刑法改革を呼び掛けている。



この話題に関するBioEdgeの記事はこちら ↓
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10382#comments

この記事によれば、Roth医師は
我々の行動の3分の1は遺伝子によって決定づけられている、と主張しているとのこと。

また、上記Mail紙のインタビューについては
Daniel Rettingというブロガ―が
「これはまたも、科学ジャーナリズムにつきものの問題。
純化と愚ろかさを画す一線が超えられてしまうことが時にあり、
この記事は残念ながら、それが起こった事例」と書いたとのこと。


私はこの話には科学ジャーナリズムの「愚かさ」というよりも、
むしろ世の中にじわじわと広がっていくメディカル・コントロール
不気味な匂いを感じるけれど。

例えば、以下の話題に漂っているのと同じような。