クローン肉、本当に食べるって?

米国FDAは今年中にクローン肉とクローン牛乳の販売を認める方針だとのこと。

Producers Favor Tracking Cloned Animals
Washington post (AP), December 20,2007

クローン動物は科学的には自然に生まれた動物となんら変わらないから大丈夫、
FDAは言っているのですが、

消費者の方はまだクローン動物の食品化には不安を感じているとの
様々な調査結果が出ていることから、

クローン食品が出回ると消費が冷え込むのでは、と恐れる生産者は
自発的に規制してまだ売らないと慎重な姿勢だとか。

もちろん消費者団体や政治家からも
普通に市場に出すのは時期尚早という批判も出ているらしいですが、

しろクローニング会社(既にメジャーな会社が2つも)からは
現在作られているのはブリーダー向けの受賞牝牛やロデオ牛のコピーで、
クローニングにはお金がかかるので、
実際にはあまり食用には回らないんじゃないかという見方も出ている。

でも、結局、ブリーディングには既に使われているわけですね。

「わ、こわい」と思うのは、
いったんクローニングで動物を作ると、
その動物から生まれた次世代以降の動物はクローン動物ではなくなるので、
自然に生まれた動物との見分けがクローニング会社にもつかないのだという話。

もう1つ、FDAが表示を義務付けているのは原材料と添加物なので、
クローン食品は表示が義務付けられていない、という話。
売るなら生産者の方で自発的に表示するだろうという話もありますが。

ポストヒューマンの世界ではクローン技術で食肉を無限に供給できる
Kurtzweilが書いているのを読んだ時に、
つい笑いながら「そんなもの食べたかねーよ」と毒づいたのは、
なんと荒唐無稽な……と呆れたつもりだったのですが、

まさか、既に現実の話になりつつあるとは……。