2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「HIV感染者の臓器を移植に」と米国の移植関係者

HIV感染者で腎不全になる人は少なくない。 HIV感染そのものが原因で起こる場合もあれば治療薬が起因となる場合もある。 元々の健康状態が良くないとか、HIVで移植した臓器も痛む、 免疫抑制剤がHIVウィルスをさらに強力にする、などの理由で 以前はHIV感染者…

2011年4月12日の補遺

日本で初の15歳以下の脳死判定・臓器移植。:「各提供病院が(虐待の有無を調べるなど15歳未満からの臓器提供のための)体制を整える必要があるが、すぐにできることではない」とは、「だから、整わなくても見切り発進してよい」という意味? その「よい」…

2011年4月11日の補遺

米国バージニア州ノーフォークで去年、90歳の女性Olwen Doris Greenさんが認知症の進行を恐れて自殺。8日に検視官が自殺と断定。Dignity in Dyingのメンバーで死ぬ時は自分で決める権利があると考えていたという。自殺ほう助の疑いで娘が逮捕され、現在保釈…

「わたしを離さないで」の世界は移植医療に代わる技術開発で回避できるか……という問いを考えてみた

臓器移植医療を批判している学者の方々の文章を読むと、 「じゃぁ移植をしなければ死んでしまう人に死ねと言うのか」 とのツッコミを予測して、あらかじめそれに応えておくかのように 「人工臓器の開発など、移植以外の方法で救う技術開発を急げ」と 書かれ…

どぇっ、07年に自殺したAshleyの主治医が生き返ったぞ!

Ashleyの主治医で、 06年にDiekemaと共著でAshleyの症例について論文を書き、 その後07年の9月30日午後9時30分以来ずっと死んでいるはずのGunther医師が (詳細は「Gunther医師の死」の書庫に) なんと生き返って、 「今月」また、あの同じ小児科学会誌に、…

Harris「臓器不足排除が最優先」の売買容認論は「わたしを離さないで」にあと一歩

John Harrisはマンチェスター大学の倫理学者。 前のエントリーで映画「わたしを離さないで」についてのSomervilleの論説を読んだ際、 Harrisが臓器売買を認めろと主張する文章を最近書いているとのことだったので、 探して読んでみた。 Professor John Harri…

映画「わたしを離さないで」 論評2本(カナダ・オーストラリア)

映画の公式サイト(英語)はこちら (英語圏でも公開中らしく、ツイッター随時追加されています) 日本語の公式サイトはこちら。 原作を読んで1月に書いたエントリーは、こちらに ↓ カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」メモ(2011/1/13) 現在日本で公開中…

Idaho州、自殺幇助を法で明確に禁じる

かねて補遺で追いかけてきたように 自殺幇助を明確に違法と規定するIdaho州の法案SB1070ですが、 3月14日に上院を通過したのちに 28日に下院を通過。 このほど知事もサインして、法律となったとのこと。 プロライフの全米組織AULの会長であるCharmaine Yoest…

大福モチと花ソーセージ

このところ、お天気が良くて、 ぽかぽかと暖かい日が続いている。 お昼ご飯を食べた後で、 あれこれヤボ用を兼ねた近所のお散歩へ出掛ける。 背中を照らす日差しは、ほとんど暑いくらいで 寒い間ちぢこまっていた身体がのびのびと広がって、喜んでいる。 ぬ…

「合併症ある高齢者は人工透析を諦めてホスピスへ」と誘導する「医療マネジメント」

記事の書き出しが、まず 「あまたある恐ろしい慢性病の中で、たった一つ、 重症の腎臓病だけが連邦政府の特別扱いを受けている」。 年齢や支払い能力を問わず腎臓不全の患者にはタダ同然の医療をと、 39年前に法律が作られた時には、 その後に高齢者がこんな…

2011年4月5日の補遺

まず、3日のエントリーでとりあげたMaitlandさんのDignitasでの自殺について、いろいろリアクションが出ている。 Wesley Smithが批判ポスト。 http://www.firstthings.com/blogs/secondhandsmoke/2011/04/03/fear-of-dying-of-old-age-assisted-suicide-in-s…

Dignitasで英国人がまた自殺、今度は「老いて衰えるのが怖いから」

Nan Maitlandさん(84)は元作業療法士で 英国でthe Society for Old Age Rational Suicide (SOARS)という (ターミナルであるかどうかに限らず)高齢者の自殺幇助合法化活動団体の創設者。 3月1日にスイスのDignitasで自殺。 長年、関節炎に苦しんではいた…

Kevorkian医師、98年に自殺幇助した障害者の腎臓を摘出し「早い者勝ちだよ」と記者会見

安楽死と臓器移植が結びつこうとしていることについては 文末にリンクしたように当ブログも兼ねて懸念しているところですが、 Wesley Smithが「安楽死と臓器摘出」というエントリーを書いています。 Euthanasia and Organ Harvesting Secondhand Smoke, Marc…