2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

朝日新聞で紹介されたカナダの「高齢者の長期経管栄養の意思決定」支援ガイドライン

今朝の朝日新聞「私の視点」欄で紹介されていた、 カナダ「オタワ健康調査研究所」の 「高齢患者の長期経管栄養の意思決定支援ガイドライン」を探してみました。 Making Choices: Long Term Feeding Tube Placement in Elderly Patients Division of Geriatr…

日本の「ワクチン産業ビジョンの要点」の怪

今日、ひょんなことから初めて知ったのだけど、 日本の厚生労働省医薬品局は平成19年3月から 「ワクチン産業ビジョン推進委員会」なるものを開催しており、 第6回の委員会は明後日10日に開催される。 これ知って、最初に頭に浮かんだ疑問は なんで“ワクチン…

「若い人が優先」腎臓分配方式の提言にRossが反論

健康な若者優先の腎臓分配制度を提言した3月1日のNYTの社説に対する反論が 5日に同じくNTYに掲載されています。 補遺で簡単に拾っておこうかと思ったら、 著者が、なんと Lainie Friedman Ross ――。 あのNorman Fostと並んでシアトルこども病院生命倫理カン…

「執行後に全身の臓器すべて提供させて」と、OR州の死刑囚

8年前に妻と3人の子どもを殺して死刑を宣告された37歳の男性が 毎日せまっ苦しい独房に閉じ込められて過ごしたって何の償いにもならないけど、 死刑になった後で使える臓器をみんな提供すれば多くの人を救って 少しでも罪を償うことができる、と許可を求めた…

延命停止に不同意の家族からは決定権はく奪、病院推薦の代理人が同意

なにもテキサス州のように 一方的な「無益な治療」の停止を法的に認めなくても、 家族の意思決定が病院側の気に入らなければ、 家族から代理決定権をはく奪しプロの切り捨て請負人ガーディアンを任命……。 そんな手口もアリなようです。 また「無益な治療」概…

2011年3月5日の補遺

NYで38歳の脳性マヒの男性が一緒に暮らしていた母親に胸をナイフで刺されて殺された。息子に頼まれたので殺人ではなく自殺幇助だと母親は主張しているが、近所の女性によると、息子はそんなことを頼めるほどコミュニケーションが取れないし、自殺することを…

「米国で認知され始めた『介護の力』」を書きました

「米国で認知され始めた『介護の力』」 「チョコレートは確かに薬じゃありません。でもソラナックス(抗不安薬)より効きますよ」 2010年の大みそか、ニューヨーク・タイムズの記事で、こんな印象的な言葉と出会った。新年が明けても電子版で「最も読まれた…

小児中心に「無益な治療」停止に関する新旧論文4本

前のエントリーのWilkinson論文を見つけた時に、 ずらずらっ……と金魚のウンチ的に出てきた 子どもの治療と、栄養と水分の停止または差し控えに関する論文を以下に。 ① 2004年にカナダの法学者が、 医師が勝手に患者をDNR(蘇生拒否)にすることは法的に許さ…

「“生きるに値する命”でも死なせてもOK」と、Savulescuの相方が

去年、この人がSavulescuと書いた「臓器提供安楽死」論文については、↓ 「生きた状態で臓器摘出する安楽死を」とSavulescuがBioethics誌で(2010/5/8) Savulescuの「臓器提供安楽死」を読んでみた(2010/7/5) 「腎臓ペア交換」と「臓器提供安楽死」について書…

終末期医療に関する代理決定、代理決定者に大きな心理的影響、長期に

これまで、終末期医療に関する代理決定については 代理決定者がどのように決定や決定の支援を行うかという研究は いくつかあるものの、 その代理決定が代理決定者におよぼす心理的な影響についての研究はなかった。 Annals of Internal Medicineに発表された…

米小児科学会関連雑誌に成長抑制WGの論文巡るコメンタリー

米国小児科学会の雑誌に 例のシアトルこども病院が組織したWGのHCR論文に関するコメンタリーが出ている。 無料で読める最初の20%だけからは、著者のスタンスは不明。 In 2006, Ashley, a 6-year-old child with severe developmental disabilities, receive…

2011年3月1日の補遺

意思決定できなくなった家族などに代わって終末期医療について代理決定を行うことが、代理決定者に及ぼす心理的な影響の調査結果。3分の1にネガティブな影響があった。:これ、重要な記事。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/217706.php 24日にエン…

「質のいい腎臓は若者優先に」とNYT社説

9万人もが待っているというのに移植用の腎臓が足りず 09年に死亡提供で得られた腎臓はたったの10400個程度だった。 レシピエントを特定した生体間移植でも6300個程度。 現在、死亡提供者からの腎臓は ネットワークを通じて待っている期間が長い順に移植が行…

スイスで精神障害者への自殺幇助容認議論

スイスで、精神障害者にだって自殺幇助を受ける権利があるんじゃないか、 という議論が起こっている。 ことの起こりは双極性障害のある男性の自殺幇助を追いかけた テレビのドキュメンタリー、”Tod nach Plan (Death by Plan)”。 ほとんど同時に、死に至るよ…