小児中心に「無益な治療」停止に関する新旧論文4本

前のエントリーのWilkinson論文を見つけた時に、
ずらずらっ……と金魚のウンチ的に出てきた
子どもの治療と、栄養と水分の停止または差し控えに関する論文を以下に。


① 2004年にカナダの法学者が、
医師が勝手に患者をDNR(蘇生拒否)にすることは法的に許されるかなどの問題を検討し、
「一方的な治療の停止や差し控えは、カナダ最高裁によって法解釈されている
社会が尊厳を守る強い責任(strong social commitment to dignity)の侵害である」と
結論する論文を書いている。

ということは、
04年に既にカナダでは医師が勝手な判断で患者をDNRにしていたということ。

DNRって「私に蘇生を行わないで」という一人称なんであって、
そこに自己決定の精神が立っていたんではないの?
他人が勝手にカルテにちゃっちゃと書きこんでいる、その図こそ、
「無益な治療」論の本質を象徴している。


②未来を予測する認知能力を欠いた新生児に
未来は無価値だとするSingerとMcMahanへの反論。


③「栄養と水分停止で死なせるのは子どもの最善の利益ではない」というから、
期待して読んだら、なんと、「栄養と水分の停止でじわじわと死ぬに任せるのは苦しいから
本人の利益ではない。殺すのが本人の利益」だと。これ1986年の論文。
こんなに早くから、こういうことを言う人はいたのね~。


アブストラクトは読んだんだけど、忘れた。ていうか、もう、いい。考えたくない……。