「象牙海岸で先進国の有害ゴミによる死傷者多数」事件:続報

去年の暮れのエントリー象牙海岸の悲惨で取り上げた
2006年夏の事件ですが、

アフリカはもう何年も先進国のITゴミなど有害ゴミの捨て場と化しており、

象牙海岸に無造作に投棄された毒性ゴミによって
ゴミの中から金属片を漁るのを仕事にしている最も貧しい子どもたちを中心に
多くの死傷者が出た、という事件。

こうした有害ゴミは、いくつも国を経由し、
いくつかの会社の手を経て運ばれ処理されていくので
その過程で責任の所在が曖昧になったり、
言い逃れで責任を擦り合ったりということが起こっていたようですがが、

この事件で2人が有罪判決を受けた、とのこと。
1人は禁固20年、もう1人が5年。

他に7人に無罪。



アムステルダムで本来すべき処理にはお金がかかるために
そのまま船に積んで送り出したオランダの会社 Trafiguraは
民事訴訟では去年2億ドルで和解していますが、
被害者への同情から出したものだとして、ライアビリティは認めていません。

Trafiguraが処理を依頼した地元企業 Tommyが勝手にやったことだというのが言い分。
今年の3月、象牙海岸の上訴裁判は
Trafiguraを有罪とするには証拠不十分だとの
判断を下しました。

今回20年の禁固刑を言い渡されたのは、Tommyのトップです。
TrafiguraにTommyを紹介した、地元の港で働く人物が5年。

去年の暮れの記事では10人だった死者は
この記事では17人に増えています。
呼吸障害や嘔吐などの被害を受けた人は数千人。

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結局“トカゲの尻尾切り”に終わったということでしょうか。

去年読んだ記事でも今回の記事でも、
結局どこから出たゴミなのかという情報は出てきていません。
それがまた不思議であり、不気味でもあります。

日本では報道されることのない類のニュースですが(それ自体、なぜだろう……?)
せめて知っておきたい。

グローバリゼーションや新自由主義の背後ではこういうことが起こっている──。