象牙海岸の有害廃棄物事件で、被害者への賠償金を現地で詐取する動き

英国の石油企業 Trafigura が、有害と知りつつ象牙海岸に廃棄物を撒いて
多くの死傷者を出した2007年の事件については、当ブログでも以下のエントリーで追いかけてきましたが、



貧しく力弱い象牙海岸の被害者たちが、やっとの思いで勝ち取った賠償金が、
現地社会の腐敗で被害者の手に渡らずに消えてしまおうとしている、というニュースが。

今回の集団訴訟を担当した英国の弁護士によると、
被害者の誰も銀行口座を持ち合わせていないため、
Trafiguraが支払った賠償金総額300万ポンドは一旦アビジャンの銀行に振り込まれた。
そこから3万人の被害者それぞれが約1000ポンドの現金が渡される段取りになっており、
配達要因は現在、現地に向けて移動中。

ところが、そこで突然、現地裁判所からその金に凍結が命じられた。
同時に、被害者の代表を名乗る組織が介入すべく、
何らかの合意に達するためのコンタクトを求めてきたという。

弁護士は、
「悪辣な汚職が起こっていて、
賠償金はこのままどこかへ消えて被害者に渡らないかもしれない」と。

英国の裁判所は、賠償金が被害者以外に渡らないように声明をだしたが、
これに対して現地Abidjanの裁判所が今週のうちに裁定を下すことになるのだとか。



力の弱い者に対して、世の中の差別と搾取は
幾重にも折り重なっているのだということの酷薄さを改めて思い知らされる。

それにしても、裁判所ぐるみ、とは……。