2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Wilkinson&Savulescuの「無益な治療」論文(11)を読んでみた

“Knowing when to stop: futility in the ICU” Dominic J. C. Wilkinson and Julian Savulescu Current Opinion in Anesthesiology, 2011, 24:160-165 これも、前のエントリーで読んだ論文と同じく、 落ちていく先はコスト論。 無益な治療論争は定義が一定…

Wilkinsonの「無益な治療」論文(11年)を読んでみた

A Life Worth Giving? The Threshold for Permissible Withdrawal of Life Support From Disabled Newborn Infants Dominic James Wilkinson Am J Bioeth, 2011 February; 11(2): 20-32 【関連エントリー】 「“生きるに値する命”でも死なせてもOK」と、Savle…

ザッカ―バーグ、IT長者を政治勢力として結集へ?

Facebookの創設者 Mark Zuckerbergが 諸々のチャンネルを握っておりカネも人気もあるビル・ゲイツなどIT長者らを結集して、 一大政治勢力となるべく、 The Political Action Committeeの創設に動いている、という噂。 組織作りを引き受けたザッカーバーグの…

それなりに健康な高齢者の自殺は「合理的かつ美しい」?

オーストラリア the Brighton EastのBeverley Broadbentさん(83)は、 これまで充実した人生を歩んできて、病気でターミナルな状態にあるというわけではなく、 不幸だと感じているわけでもウツっぽいわけでもないけど、 加齢に伴い、健康問題があれこれと出…

ディグニタスに連れて行っても「自殺」だから「自殺幇助」じゃなくなった?(英)

Dianne Ruth Whittleさん、50歳は、元看護師。 2010年9月にALSを発症。 2011年10月に 夫ともう一人の家族に付き添われてスイスのディグニタスで自殺。 飲み込みができないので、 経管栄養のチューブを通して致死量の即効性のバルビツールを胃に…

CT州の自殺幇助合法化法案、委員会で潰える

気になっていたコネチカット州の自殺幇助合法化法案は、 保健医療委員会で議会に送る議題から削除され、 議会での採決まで行かず廃案に。 委員長によると、 賛成が少なく、法的に自殺を認めることに対する反対が強かったため。 賛否は拮抗すらしなかった(no…

2013年4月5日の補遺

09年のFEN事件で、先月の判決に対してミネソタ州の検察側が上訴。ここでも、以下にリンクしたGA州の訴訟と同じく、言論の自由の問題としての自殺幇助。いくつもの州にまたっがった、いくつもの事件と訴訟を含むFEN事件のまとめはこちらに ⇒ http://blogs.y…

C&Cの活動資金、ジョージ・ソロスから

去年のマサチューセッツ州のPAS合法化住民投票の直前に 反対派陣営にはカトリック教会の資金が投入されているという情報が出てきて、 それを宗教からの介入操作であるかのように書く記事が沢山あったのだけれど、 ワシントン州での住民投票前のキャンペーン…

『移送手当で障害者に車をリース 「モータビリティ・スキーム」―英国』書きました

移送手当で障害者に車をリース 「モータビリティ・スキーム」―英国 英国のキャメロン首相が社会政策を慈善団体や社会的企業家に委ねるべく提唱した「ビッグ・ソサエティ(大きな社会)」構想を受け、独立したビジネスとして利益を上げつつも、利益追求よりも…

『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』書評を書きました

『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』 責任編集: 安藤泰至・高橋都 丸善出版 6090円 40名の編集委員と総勢約270名の執筆者による丸善の一大プロジェクト『シリーズ生命倫理学』(全20巻)の第4巻『終末期医療』が、昨年末に刊行された。編著者は安…

技術が本来の適用範囲を超えて使われることから起こる「道徳的害」

先週火曜日に以下のエントリーを書きました。 生きたいのにICなしのモルヒネ投与で死んでしまったALSの元外科医(MT州)(2013/3/26) この事例をめぐって、某MLで ALS患者の支援の専門家と緩和ケアの専門医の方の間で 興味深いやり取りがありました。 私はALS…