2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

伊で、栄養と水分停止を禁じる法案が下院を通過

イタリアで 植物状態(脳死状態と書かれている記事も)の女性Eluana Englaroさんへの 栄養と水分の中止を求める父親が訴訟を起こし、2008年から09年にかけて 国を挙げての大論争になったことを以下のエントリーでとりあげました。 伊の安楽死問題、首相に大…

NICUでの生命維持差し控えは「違法行為の放置」

11日に米のNIUCで治療停止による死亡例が増加のエントリーで紹介した 米国小児科学会誌のJulie Weiner やJohn Lantosらの論文で NICUで生命維持治療の停止や差し控えによる死亡例が増えている、 特に超未熟児で差し控えが増えている、という調査結果と、それ…

2011年7月12日の補遺

円借款:パキスタンのポリオ撲滅 ゲイツ財団と提携検討:武田製薬にゲイツ財団の元幹部職員が送り込まれて以来、こういう動きが加速化している? http://www.mainichi.jp/life/money/news/20110712k0000m020066000c.html http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/new…

2011年7月11日の補遺

NZのアルツハイマー病啓発週間(7月11-15日)を機に、オークランドで認知症の人を介護しているケアラーのためのブログが出来た。皮きりに、50代の妻の介護をしている医師でオークランドアルツハイマー病協会の理事であるRobert Turnerが介護者としての役割…

米のNIUCで治療停止による死亡例が増加

7月号の米国小児科学会誌に Ashley事件でお馴染みJohn Lantos医師らが論文を発表し、 1999年から2008年の10年間に NICUで死亡した新生児について ① 32週以内の超未熟児 ② 先天性の異常がある児 ③ その他 別に調べたところ、 地域の診療機関からの紹介を受け…

人間の欲望のオモチャにされたチンパンジーの物語・映画「プロジェクト・ニム」

7月8日に米国で封切りになったドキュメンタリー映画 “Project Nim”。 映画の予告映像は、こちらの日本語サイトで見ることができます。 このサイトの説明によると、 手話を駆使して人間と会話することで世界的に有名になった チンパンジーのニムの生涯をまと…

2011年7月10日の補遺

原発関連でいろいろ本を読んでおられる方から、「原発事故を問う―チェルノブイリから、もんじゅへ」七沢 潔著(岩波新書)がいちばん興味深かった、と教えてもらった。アマゾンのレビューでも評価が高いみたい。 BuffettがGates財団に15億ドル。06年から順次…

去年こんな「祝・ケアラー連盟設立」記事を書きました

今からちょうど1年前、ケアラー連盟設立を祝して 「介護保険情報」誌7月号の連載で書いた記事を――。 英国NHSの介護者支援サイトCares Direct 先月7日、介護者の権利擁護を進める「ケアラー連盟」が日本で誕生した。これまで介護者が「人権」という文脈に…

2011年7月7日の補遺

WA州の尊厳死法による死亡報告書の死因欄に「医師による自殺幇助」ではなくPASの動機となった元々の病気名が記入されることの問題が以前から指摘されていたけれど、今回、死因をPASと明記するよう法改正を求める法案が州議会に提出されるも、委員会で投票に…

緑書に、ケアの質コミッションから容赦ない注文(09年―10年 英国)

前のエントリーで09年の英国の前ブラウン政権のビジョンを ほじくり出してきましたが、そのついでに、 その緑書に対して、半年後にあった ケアの質コミッション(CQC)からの注文について、 こちらは「介護保険情報」2010年1月号の連載で書いたもの。 ケアの…

英国・前ブラウン政権の「社会ケア緑書」

5日のエントリーでとりあげた英国「介護と支援財政委員会」提言を読み、 そういえば前ブラウン政権の末期に、 この問題は大きな議論になっていたっけなぁ……と思いだしたので、 当時、どのような議論があったのかを振り返るべく、 「介護保険情報」2009年9月…

米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら

子どものワクチン接種に懐疑的な親が少数ながら着実に増えていることは 米国で麻疹の流行がぶり返していることもあって、 ずいぶん前から米国で議論になっている。 そんな中、 シカゴのNorthwestern Children’s Practice (NCP)の8人の小児科医など一部の小…

ケアラーの本当の顔: 英国ケアラーズ・ウィーク2011

今年も6月13日から19日、 英国では恒例の介護者週間 Carers Week が行われました。 今年は1700以上の地方組織がイベントを実施。 去年よりも30%も増えたとのこと。 関連の報道記事は期間中の補遺にいくつも拾っています。 私が初めて英国のCarers Weekの…

英国「介護と支援財政委員会」提言

昨年7月に英国政府が 公正で持続可能な成人介護制度の財政システムを検討すべく立ち上げた独立の委員会 Commission on Funding of Care and Support(とりあえず「介護と支援の財政委員会」?)から 昨日7月4日、詳細なデータ分析を含んだ報告書が発表されま…

2011年7月4日の補遺

ケアラー連盟設立1周年記念フォーラムで話題になっていた「地域支え合い体制づくり事業」について、おもしろい記事を見つけた。 http://www.caresapo.jp/fukushi/insurance/2011/06/post_14.html OR州で自殺キットの販売を禁じる法が成立。(これまでに補遺…

OR州の医師「PAS合法化は間違い」

カナダの死の自己決定権訴訟にALS患者の女性が加わったというニュースを 7月1日の補遺で拾いましたが、 そのニュースに対してVancouver Sun誌に米国オレゴン州から投稿された William L Toffler医師の文章が、とても、とてもいいのです。 ご存知のようにオレ…

テキサス州で14歳の脳腫瘍患者めぐり、新たな“無益な治療”事件

舞台はテキサス子ども病院。 患者はJordan Allen(14)。 ごく普通の健康な子どもだったJordanは去年、手術不能の脳腫瘍と診断され、 先月、心臓発作を起こして意識不明状態に陥り、人工呼吸器を装着。 先週、病院から両親のところに届いた手紙は Jordanはタ…

ドイツ連邦医療会議、自殺幇助禁止を確認

たぶんドイツ医師会なのだと思うのですが(違っていたら、どなたかご教示ください) ドイツの Federal Medical Councilの投票で 医師が自殺幇助を行うことに対して 反対 166 vs 賛成 56 (棄権7)により、 PSA禁止の続行を確認。 会長の Jerg-Dietrich…

2011年7月1日の補遺

カナダの"無益な治療"訴訟 Rasouli事件で、オンタリオの上訴裁判決。3月の下級裁判所の判決の通りで、医師側に独自の決定権を認めず、CCB(同意と能力委員会)の判断を仰がなければならない、と。 http://medicalfutility.blogspot.com/2011/06/decision-in-…

スイス政府、“自殺ツーリズム”規制を断念

文末にリンクしたように 2009年から、Dignitasなどで批判されている“自殺ツーリズム”への規制を模索し 国民の意見聴取などを行ってきたスイス政府ですが、 現行法は 弱者へのセーフガードと自己決定権のセーフガードのバランスが十分に取れており、 濫用を防…

ケアラー連盟設立1周年記念フォーラムに参加しました

ケアラー連盟については、 これまで以下のエントリーでとりあげてきました ↓ 介護者の権利を守るための「ケアラーズ連盟」、6月7日に発足へ(2010/5/18)(その後、名称変更) 「ケアラー連盟結成宣言」(2010/7/6) 日本のケアラー実態調査(2011/6/14) このほど…