2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Angela事件の判決文を読む 2

(前のエントリーの続きです) ③ Angelaの「生命の危機」はもちろん、健康問題すらどこにあるのかがはっきりしない。 ・「エビデンスにより、子宮摘出は緊急であり必要」とも どうせAngelaは普通の青少年・成人として暮らすメリットはないのだから、 長期的…

Angela事件の判決文を読む 1

Angelaケースの判決文を読んでみました。↓ 絶句……。 正直、私はもう気力がなくなりそうです。 が、どうも口だけは勝手に動く業でも背負っているみたいなので 「なんで、こんなのがまかり通るんだ?」と頭の血管がブチ切れそうになった 問題点をまとめてみま…

Angela事件(豪):事実関係の整理

今朝のエントリーで紹介した豪の重症児の子宮摘出訴訟について。 【判決文】 http://www.austlii.edu.au/au/cases/cth/FamCA/2010/98.html えらそーにリンクしてみたものの、実は判決文はまだ読めていないので、 事実関係の情報ソースは以下の記事3本のみで…

闇の自殺幇助機関FEN事件の4人を起訴(米)

当ブログで事件当時、かなり追いかけたFEN事件で プレジデントのThoman Goodwinら4人に対して 自殺幇助、証拠隠滅、組織犯罪防止法(?)違反の容疑で起訴。 FENそのものも起訴された、とのこと。 この大陪審で起訴になったのは、当初逮捕のきっかけになった…

豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める

オーストラリア、クイーンズランドの11歳の重症児Angelaに対して、 生理が不順で貧血を起こしたり、てんかん発作を誘発しているとの理由で 両親が子宮摘出を求めていた裁判で、 Queenslandの家庭裁判所は2月16日、 両親の訴えを認める判決を下した。 Angela…

2010年3月9日の補遺

【自殺幇助関連】 Connecticut州で2人の医師とCompassion & Choiceが、医師による自殺幇助を縫合的な治療とみなすように求めている訴訟の公判が開始され、州側はその判断をするのは法廷ではなく議会であると主張。 http://www.theday.com/article/20100309/N…

CDCの前ディレクターはHPVワクチン売ってるMerck社のワクチン部門トップに天下り

3月5日にワクチン施策への提言論文を読んだ際に、 去年12月の補遺に拾ったままエントリーにしていない情報が 結構、重要なのではないかと思い出したので、以下に。 2002年から2009年まで米国疾病予防管理センターCDCを率い、 Obamba大統領の就任に際して職を…

DPPの自殺幇助に関する起訴判断のガイドラインを読む 2

(前のエントリーの続きです) 起訴の公益ファクターとしては 1. the victim was under 18 years of age; 2. the victim did not have the capacity (as defined by the Mental Capacity Act 2005) to reach an informed decision to commit suicide; 3. the…

DPPの自殺幇助に関する起訴判断のガイドラインを読む 1

ガイドラインそのもののサイトはこちら。 まず、最初に、いくつかの項目ごとに述べられている概説や注記事項から 個人的に特に目に付いた点を、以下に。 【捜査】 ・自殺を勧めたり幇助した事件は全て警察の捜査対象となる。 ・自殺を勧めたり幇助することは…

2010年3月7日の補遺

自殺幇助関連 コネチカット州で去年2人の医師が自殺幇助の合法化を求めた裁判の審理が月曜日に始まるらしい。 http://www.nhregister.com/articles/2010/03/06/news/doc4b933aab5cd01755332818.txt Brown首相が、ガイドラインの発表をはさんで、再度、合法化…

欧州でADHD治療薬の安全性調査命じられた製薬会社が結束して「不能・不要」と回答

ヨーロッパ医療機構(EMEA)が長期に行った調査を受けて 去年の5月27日に、ヨーロッパ・コミッションが リタリン、コンサータなど、 メチルフェニデート製品に対する警告を発し、 製造元の製薬会社に有害な副作用について長期間の調査研究を命じた。 提出を…

「健康ギャップ」なくても「ワクチン・ギャップ」埋めないと「世界に恥じ」る……と説くワクチン論文

以下の論文を読んだ。 待ったなしのワクチン政策 世界に恥じない「総合的な戦略」が求められる 川渕孝一、ポール・タルコット 社会保険旬報NO.2413~2414(2010年2月1日号・11日号) 去年の夏に読んだ朝日新聞のワクチン記事と、ほぼ同じ路線。 あの…

尊厳死法一周年:WA大学医療センター前で抗議デモ

Washington州の尊厳死法施行1周年を前に True Compassion Advocates という団体がワシントン大学医療センター前で 同法に抗議するデモを行うと発表。 ただ、この記事の数字は、他の報道とはかなり違っているのは??? ここでは、52人が同法を利用して自殺。…

WA州とOR州の2009年尊厳死法データ

WA州とOR州から、それぞれ尊厳死法で自殺した人に関する 2009年分のデータが出ている。 まず、WA州の尊厳死法は、施行からの9カ月間で 29人の医師が63人に致死薬を処方。 そのうち死んだ人は47人で、 その致死薬を使って死んだことがはっきりしているのは36…

2010年3月4日の補遺

自殺幇助関連 一貫して合法化に反対してきた Baroness Finlayが今回のガイドラインについて寄稿。対象者をターミナルな人や障害者に限定しなかったことや、医療者の関与を厳しく捜査対象としたことを評価しつつ、医師は自殺幇助をオプションとしてはならない…

「無益な心肺蘇生は常に間違いなのか?」とTroug医師

昨日、癌の子どもの終末期の記事でDiekema医師がコメントしているのを見て、 急進的な生命倫理を説く彼の師匠、Norman Fost医師が同じく終末期医療に関して いかにも“らしい”コメントをしている記事があったのを思い出したので、以下に。 記事のテーマそのも…

2010年3月3日の補遺

自殺幇助関連 スコットランドの自殺幇助合法化法案については、パブコメを募集することになった。来週から10週間。 http://news.scotsman.com/politics/Call-for-views-over-assisted.6118614.jp 3月2日の夜、Public Broadcasting Servicesが06年にDignitas…

小児がんの終末期で親に頼まれた医師が「死を早めている」?(米)

米国の小児科や癌治療に関連した複数のジャーナルが連携した特集の中に、 それぞれ子どもを癌で亡くした親と、脳腫瘍で子どもを亡くした親への 終末期医療に関する調査が報告されており、 多くのメディアが取り上げています。 特に前者のDana-Farber癌研究所…

日本尊厳死協会・井形理事長の「ダンディな死」発言

去年12月に行われた日本宗教連盟第4回宗教と生命倫理シンポでの 東大の島薗先生の挨拶と立命の立岩先生の発言部分が 立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」のサイトに公開されています。 http://www.arsvi.com/ts2000/20100012.htm 立岩先生の発言か…

2010年3月1日の補遺

自殺幇助関連 オーストラリアのDr. Deathこと Dr. Nitschkeが3月19日にアイルランドで初めてのワークショップを行うことに。 http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2010/0301/1224265372224.html ジャーナリスト Zoe FitzGerald Carterが乳がんとな…

国別・Dignitasの幇助自殺者、登録会員数一覧

英国DPPの最終ガイドラインの発表を受け、 Guardian紙のデータ・ブログに、 Dignitasで自殺した人、また登録会員の国別一覧が。 情報源はDignitas。 去年9月の暫定ガイドラインの発表時にも BBCからグラフが出てきたことがありましたが、 今回はさらに詳細で…

英国DPPの自殺幇助に関する法解釈ガイドライン:発表前後の情報をとりあえず整理

まず、2月25日に公表されたDPPの最終ガイドラインの現物はこちら。 (私はまだ読めていません。なるべく数日中には読みたいと思っていますが) 【最終ガイドライン公表に関する報道】 A licence to kill? Assisted suicide case relatives won’t be charged …

「Ashley療法反対」スローガン・よだれかけ

これは「面白いもの」なのだか「ヘンなもの」なのだか単なる「文化の違い」なのだか、 私自身、ちょっと困惑気味なのですが、 好きなものをプリントしてオリジナルなTシャツを作ろうというコンセプトの ネット販売サイト Cafe Pressに、 「Ashley療法は児童…