2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

親と医師の発言、実は食い違っている

この論争で多くの人が疑いもなく議論の前提にしているように見える思い込みの1つに「医師らと両親が言っていることは同じ」というものがあります。 特に批判的な立場をとる人にとっては、「こんなことをした張本人」という捉え方にもなるため、両者はまるで…

WPASの調査報告書に関する疑問

前回、WPASの調査報告書の中に書かれているのは、子ども病院の恒常的倫理委のメンバーのことであって、それがそのままアシュリーのケースを検討した当該倫理委のメンバーとは言えないということを、要注意点として注記しました。 この調査報告書を読むと、そ…

WPASの調査報告書 要注意点

WPASの報告書を読んで、誤解を招くのではないかと非常に気になった箇所がありましたので、注記しておきます。 誤解を招きそうな紛らわしい書き方があるのは、「Ⅲ事実」の「B.アシュリーの両親は“アシュリー療法”に関して子ども病院倫理委員会に意見と勧告を…

医師らはやっぱり”乳房芽”など認めていなかった

WPASの調査報告書を読み返していたら、 「医者も知らない”乳房芽”?」に関連して、面白い発見がありました。 Exhibit Lとして報告書に添付されている2004年5月5日の倫理委員会の記録では、「乳房芽」という言葉は一切使われていないのです。ここでは「…

WPAS調査報告書 添付資料一覧

Exhibit A “アシュリー療法”に関する各州の法的要件問い合わせ先 Exhibit B アシュリーの両親のブログ Exhibit C 2007年1月8日付けWPASからワシントン大学宛書簡 調査開始の通達。協力要請。資料請求。発達障害法その他からの関連抜粋添付 Exhibit D …

WPASの調査報告書 概要(後半)

Ⅳ 関連の法的要求事項 A.憲法上の権利:privacy and liberty interests 1.privacy and liberty interests generally Skinner v. Okrahoma, Addidngton v.Texas, Harper v.Washington, Cruzan V. Director, Missouri Dept. of Health, Gristwold v. Connectic…

WPASの調査報告書 概要(前半)

WPASの調査報告書の概要を以下に。ただし、個々の訳語はあまり吟味したものではありません。あくまでご参考までに。 「アシュリー療法」に関する調査報告書 2007年5月8日 Washington Protection & Advocacy System (2007年6月1日より Disability Rig…

思いついたのは医師ではなく、親では?

この事件について、「医師が何か特別な思惑を持って親を誘導し、やらせたのではないか」という疑念を持っている人は、案外に多いのではないでしょうか。私がこのニュースを初めて知った時に頭に浮かべたのも、「誰か医療職が親の頭に種を蒔いたのではないか…

論文のマヤカシと不思議 まとめ

ここまでGunther医師とDiekema医師が書いた論文と、その内容をめぐる彼らの発言を検証してきました。途中あちこち脱線してしまったので、一度ここで整理しておきたいと思います。 この論文についての考察の、とりあえずの結論:この論文は実はとても胡散臭い…