介護者の権利章典 再改定版

2008年12月に「介護保険情報」誌の連載「世界の介護と医療の情報を読む」で仮訳したものを、
以下のエントリーにアップしておりましたが、



自分でも、この訳には当時から全然満足できておらず、
いつかやり直したいと思いつつ、そのままになっていました。

昨日tu_ta9さんのブログ「今日考えたこと」で紹介してくださったのを機に
懸案のやり直しにチャレンジしてみました。


介護者の権利章典 (再改定版)

私には……

・自分を大切にする権利があります。自分をいたわり大切にすることは身勝手とは違います。自分を大切にしなければ、家族を介護する力も出ません。

・外に助けを求める権利があります。身内からは反対されるかもしれないけれど、誰にだって耐えられること、頑張れることには限界があります。どこまで耐えて頑張れるか、私自身の限界を知っているのは私です。

・介護者として以外にも様々な役割や立場を持った私自身の生活を、中断することなく続ける権利があります。家族に介護が必要となった時を境に私の生活は変わらざるを得なくなりましたが、できる限りの介護をしているのだから、時に介護者以外の役割や立場を大切にすることがあっても、バチは当たりません。

・腹を立てたり、落ち込んだりする権利があります。たまには、自分で持て余した気持ちをぶちまける権利もあります。

・罪悪感を煽ったり落ち込ませるようなことを言って、こちらを思い通りにさせようとする身内(わざとやる人も無意識にやる人も)がいても、その手には乗らない権利があります。

・気を配り、愛をそそぎ、許し難きを許し受け入れながら介護しているのだから、そういう私にも気を配り、愛をそそぎ、許し受け入れてもらう権利があります。

・こうして介護をやりおおせている自分を誇らしく感じる権利、時としてメゲそうなほど大きい介護ニーズにも踏ん張っている自分を褒めてやる権利があります。

・一人の人としての自分を失うことなく、私自身の人生を生きていく権利があります。私が介護している人には、いつか常時介護が要らなくなる日が来ます。その後にも私は自分の人生を生きていくのですから。

・この国の障害のある人々への支援が進み、そのための方策が新たに見出されていきますように、また介護者を助け支える支援も進んでいきますように、と望み求める権利があります。




なお「ぶちまける」は tu_ta9さんの翻訳からのパクりです。
tu_ta9さん、無断借用すみません。

ちょっとはマシになったでしょうか。

自分としては、「”身勝手な豚”の介護ガイド」との出会いで、
介護に関する翻訳への姿勢がちょっと吹っ切れたと感じているところがあるので、
ついでに「”身勝手な豚”の介護ガイド」エントリーシリーズを以下に。