A事件繋がりのRebecca DresserがMaraachli事件で「コスト懸念で類似の訴訟はこれから増える」

呼吸器取り外しが命じられたカナダから
米国のプロ・ライフ団体の支援により特別機でセントルイスの病院に転院がかなった
Joseph Maraachli君(1歳1カ月)の続報があり(事件詳細は文末にリンク)、

セントルイスの病院はJoseph君に気管切開を行ったうえで
ナーシング・ホームに送る、との見込み。

しかし、カナダで訴訟を起こしてまで彼の呼吸器をはずそうとした病院は
あくまでも自分たちの判断は正しかった、と。



ところで、この記事には、とても気になる人物が登場して、
とても気になるコメントをしています。

Washington大学セント・ルイス校の
法学・医療倫理学の教授、Rebecca Dresserが
米国の裁判所はこのような訴訟では、たいていの場合、
明らかに救うことのできない症例であっても、
愛する者の治療を続けてほしいと望む家族の側に立つものだ、

これからは、こういう終末期医療を巡る類似の訴訟が増えていくだろう、

「コストを巡る懸念が大きくなっているので、
こういう訴訟は増えていくでしょうね」と。

なんとも Norman Fost 的な物言いの Rebecca Dresser、
シアトルこども病院が組織した成長抑制ワーキング・グループの
メンバーの一人でもありますが、

それ以上に当ブログで注目してきたのは、
以下のエントリーで読んだChristian Ryanの論文で何度も引用されていること。


Ryanの論文によれば、Rebecca Dresserは
重症障害児は我々とは別の世界に住んでいるのだとして、
重症障害児には通常の最善の利益の考え方とは別の
「改定最善の利益」基準を設けるべきだと主張している人物です。