故Nicklinson氏の上訴審「自殺幇助をめぐる法改正は議会の仕事」

以下のエントリーで追いかけてきたNicklinson訴訟の続報。



交通事故で四肢まひとなった男性、 Paul Lamb氏と
脳卒中の後遺症でロックトイン症候群となり先の高等裁での敗訴で
食を断って肺炎で亡くなったTony Nicklinson氏の未亡人が起こしていた
死の自己決定権をめぐる上訴審で、

上訴裁判所は
自殺ほう助に関する法改正は司法の決定事項ではなく議会の仕事として訴えを却下。

Lamb氏自身がGuardianに発表した文章が以下 ↓
I don’t want sympathy in life, I want dignity in death
Paul Lamb,
Guardian, July 31, 2013


一方、
かねてNicklinson氏と一緒に裁判を起こしていた四肢まひの男性 Martinの訴訟では
法にはさらなる明確化が必要との判断が示された。



【8月2日追記】
Martin訴訟では、
3人の裁判官のうち2人がDPPに対して、さらなる法の明確化を求めたのに対して、
主任判事はそれに反対して、DPPに法改正に等しい権限を与えるべきではない、と。

既に2010年にPurdy訴訟での最高裁の判断を受けて
自殺ほう助の起訴ガイドラインを出しているDPPのStarmer氏は、
この判決に即座に、英国公訴局長としては先に最高裁の判断をいただきたい、と反論。
(ちなみにStarmer氏はこの秋でDPPを辞任予定。それなりに筋の通った正論を説く人だったけど)

四肢マヒのMartinさんは餓死を試みるもかなわず、
残された手段はスイスのディグニタスへ行くことのみだが
看護婦の妻は自殺ほう助に当たる行為をしたくないと言っている。