臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから (後)
(前のエントリーからの続きです)
Dr. Jeffersonは問題のカイザー研究に関わった研究者の追跡を試みるが、
もともと当初の実験データは見ておらずロッシュの分析に基づいた研究だったとか、
研究ファイルをなくしたという話しか出てこなかった。
もともと当初の実験データは見ておらずロッシュの分析に基づいた研究だったとか、
研究ファイルをなくしたという話しか出てこなかった。
JeffersonとDoshiは、
医学研究は信頼に基づいて行われている、その信頼はヒエラルキーになっており、
自分で検証するすべを持たない患者は監視してくれる機関があるものだと信じているが、
林医師の指摘は、その信頼を揺らがせ、監視してくれる機関がないことを明らかにした、と。
医学研究は信頼に基づいて行われている、その信頼はヒエラルキーになっており、
自分で検証するすべを持たない患者は監視してくれる機関があるものだと信じているが、
林医師の指摘は、その信頼を揺らがせ、監視してくれる機関がないことを明らかにした、と。
そこでロッシュ社に直接、データを求めたJeffersonは
同社から守秘の同意文書に署名を求められた。
署名しない限り、協力はできない、と。
同社から守秘の同意文書に署名を求められた。
署名しない限り、協力はできない、と。
ロッシュ社はロッシュ社で2010年にハーバードの研究者らに
臨床実験データの再検証を依頼し、その検証からは
カイザー研究の結果を追認する結果が出されているのだけれど、
臨床実験データの再検証を依頼し、その検証からは
カイザー研究の結果を追認する結果が出されているのだけれど、
2011年にはEuropean Medicines Agencyも19の臨床実験報告、
22000ページ以上のコピーをチームに提供した。
22000ページ以上のコピーをチームに提供した。
ロッシュ社は今年2月に、
今後は求めに応じて外部研究者らにも治験データを公開する、と発表。
今後は求めに応じて外部研究者らにも治験データを公開する、と発表。
Yale大の心臓科医 Krumholz医師は
「こんなに年数が経って、それでもまだタミフルが効くかどうかわかっていない。
何10億も売れているという薬の効果と安全性について
分かっていることを全部公開したくないというのは、理解に苦しむ」と。
「こんなに年数が経って、それでもまだタミフルが効くかどうかわかっていない。
何10億も売れているという薬の効果と安全性について
分かっていることを全部公開したくないというのは、理解に苦しむ」と。
こうした動きの中、
グラクソ・スミス・クライン(GSK)はロッシュ社に先駆けて、
今後、2007年以降のグローバルな臨床実験の詳細データをすべて公開する、
その後は2000年にまでさかのぼって公開する、と約束した。
グラクソ・スミス・クライン(GSK)はロッシュ社に先駆けて、
今後、2007年以降のグローバルな臨床実験の詳細データをすべて公開する、
その後は2000年にまでさかのぼって公開する、と約束した。
背景には、同社が去年、
糖尿病薬Avandiaの治験で心臓病リスクがあるとのデータを隠ぺいした件と、
抗うつ薬パキシルの自殺企図の副作用データの隠ぺいの件とで
合衆国法務法に訴追されて、有罪を認め、
同種の罰金としては史上最大の罰金30億ドルの支払いで合意したばかりで、
糖尿病薬Avandiaの治験で心臓病リスクがあるとのデータを隠ぺいした件と、
抗うつ薬パキシルの自殺企図の副作用データの隠ぺいの件とで
合衆国法務法に訴追されて、有罪を認め、
同種の罰金としては史上最大の罰金30億ドルの支払いで合意したばかりで、
イメージ回復の必要という事情もある。
the European Medicine Agencyは先週月曜日に
薬の認可の際に治験データの公開を義務付ける来年からの新方針の草案を発表。
薬の認可の際に治験データの公開を義務付ける来年からの新方針の草案を発表。
ロッシュとGSKはこれを支持しているものの、その他の製薬会社も
The Pharmaceutical Reseach and Manufactures of America も
そんなことをさせられたら競争相手に手の内を明かすようなもの、
それならヨーロッパ市場から引き上げざるを得ない、と反発。
The Pharmaceutical Reseach and Manufactures of America も
そんなことをさせられたら競争相手に手の内を明かすようなもの、
それならヨーロッパ市場から引き上げざるを得ない、と反発。
Dr. Doshiらは、製薬会社が公開しないなら、自分たちで、と。
タミフルのインフルエンザ合併症予防効果は証明されていない - コクランレビューとその背景
(薬害オンブズパーソン会議 2009/12/16)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=272
(薬害オンブズパーソン会議 2009/12/16)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=272
コクラングループはあくまでタミフルに関する全臨床試験データの公表を求める -ロシュの「諮問委員会」設置の申し入れを拒否
(薬害オンブズパーソン会議 2013/4/2)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=376
(薬害オンブズパーソン会議 2013/4/2)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=376
【7月23日の補遺からコピペ】
製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2
製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2
【いわゆる“Biedermanスキャンダル”関連エントリー】
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)
【その他、08年のGrassley議員の調査関連】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)
【その他、09年の製薬会社のマーケティングやスキャンダル関連エントリー】
FDAの科学者ら「認可審査あまりにも杜撰」と内部告発(2009/1/15)
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
インターネットの医薬品情報、その陰にいるのは?(2009/2/14)
FDAと製薬会社の訴訟つぶしに待った(2009/3/5)
ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者増で中止に(2009/3/30)
FDA委員会を前に精神障害当事者らから声明(2009/6/9)
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)
巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら・・・・・・(2009/9/29)
英米の医療スタッフから豚インフル・ワクチン接種に抵抗が出ている(2009/10/13)
FDAの科学者ら「認可審査あまりにも杜撰」と内部告発(2009/1/15)
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
インターネットの医薬品情報、その陰にいるのは?(2009/2/14)
FDAと製薬会社の訴訟つぶしに待った(2009/3/5)
ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者増で中止に(2009/3/30)
FDA委員会を前に精神障害当事者らから声明(2009/6/9)
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)
巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら・・・・・・(2009/9/29)
英米の医療スタッフから豚インフル・ワクチン接種に抵抗が出ている(2009/10/13)
最近のものでは例えば、↓
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
ジェネリックを売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
ジェネリックを売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)