オランダ医師会、親の苦悩の緩和として障害のある新生児の安楽死を正当化

オランダ医師会から
「重症障害のある新生児の生命に関する医療決定」という新たな報告書が出され、
障害のある新生児の安楽死が許容されるだけでなく必要である、と説いている、とのこと。

もともとオランダでは2004年のグローニンゲン・プロトコル
新生児の安楽死は認められているものの、

今回新たに打ち出された見解は
障害のある新生児の安楽死が正当化される理由に
親の苦悩を挙げている。

この報告書の著者の一人が新聞に語っているのは、

「こういう子どもたちというのは灰色で身体も冷たく、
唇も真っ青なのに何分か毎にいきなり大きな息をするんですよ。
見ているのもたまらない(nasty)姿です。しかも、それが
何時間も、時には何日も続くんです」

その一方、その発言をした医師ですら、
乳児自身は苦しんでいない可能性も認めるが、
いずれにせよ死にゆく我が子を見ていなければならない親の苦しみは客観的な事実で
そんなストレスを緩和することも良き緩和ケアの一環である、と。

報告書が提案する新生児安楽死の基準は、

その子どもが苦しんでいて、
自分の望みを表現することができず、
死が避けがたく、
死のプロセスが長引かされているなら、
親がそれ以上に苦しまないで済むよう子どもを安楽死させてもよい、と。

年間175000人生まれる新生児のうち、
650人くらいが安楽死の対象となるのでは、とオランダ医師会。

これらの乳児は、濃厚な集中治療を行ったとしても、確実に短期間のうちに死ぬことになる。予後は悪く、生きられる見込みも薄い。集中治療を必要としない子どももいるが、彼らは生きたとしても、非常に苦しく望みのない人生を生きることになる。医師と親とは、治療を開始すべきか続けるべきか、あるいは良い行いも、子どもの健康状態があまりに悪くて結果的に苦しんだり障害を負うことになるなら、実際には害になるのでは、と非常に深い問いに直面する。