慈善資本主義の“マッチポンプ”なカラクリ

前のエントリーで紹介したNJPの3月の記事の流れで、
6月7日付の記事ビル・ゲイツ、ビッグ・ファーマ、まやかしの慈善』

グローバルな人口抑制策に関与しているという陰謀説はともかく、
アフリカを中心とした途上国で先進国が行ってきた同意なき人体実験の歴史には
IMF―世銀―WTOの国際カルテルも関わり、もはやビッグ・ファーマのみならず
資本主義経済そのものが貧困層の搾取を基盤としている、と。

ビル・ゲイツは2006年6月にマイクロソフトを退く際から
何度かに渡って同社の株を売却しながら、以下の企業に投資してきた。

Walmart, Coca Cola, McDonalds, British Petroleum, Toyota,
Nimbus Discovery, Foundation Medicine

しかし、2006年にMS社を退いた時の真っ先の投資先は、Glaxo Smith Klineだった。
それ以前にも2002年にはEli Lilly(プロザックの製造元)250万株。この時、MerckPfizerにも投資。
2002年5月17日にはJ&Jその他のビッグ・ファーマ9社に2憶500万ドル相当を投資。

As an investor in Merck & Co., Pfizer Inc., Johnson & Johnson and others, the Gates foundation shares financial interests with the makers of AIDS drugs, diagnostic tools, vaccines and other drugs.

メルク、ファイザー、J&J社その他への投資家として、ゲイツ財団はエイズの治療薬、診断ツール、ワクチンその他の薬のメーカーと金銭上の利益を同じくしている。


最近では、ウォーレン・バフェットがBerkshire Hathaway社の株を大量に
ゲイツ財団に寄付するなど、世界中のスーパーリッチの富がゲイツ財団に集められて、
同財団の掛け声によってポリオやマラリア撲滅につぎ込まれているが、

これまでの調査研究から
これらの感染防止への最適な方法は教育と生活水準の向上であることが明らかとなっており、
実際にエリトリアでは防虫剤を塗布した蚊帳の無料配布や
地域の診療所の整備などを通じてマラリアを80%も抑え、


またエリトリアでは、
エイズ感染も性教育とコンドーム配布によってここ10年で40%も減じたにもかかわらず、
世界中のメディアがこれらについて報道することない。

Bill Gates is a pretty smart guy. So why did he embark on a massive vaccination campaign when the same funds could have been invested in genuinely sustainable community-development and public-health programs? Because that does not make money.

ビル・ゲイツは頭のいい男である。その彼が、同じカネを真に持続可能な地域開発と公衆衛生プログラムに投資もできたはずなのに、どうして大がかりなワクチン・キャンペーンに乗り出したのか? 前者は金にならないからだ。


記事はその後、グラクソが最近、Avandiaスキャンダルでの30億ドルの和解金を支払ったこと、


2002年にアフガニスタンの裁判で、07年から08年にかけて親の同意書を偽造して
乳児をワクチンの治験に参加させたことで有罪判決を受けたことを紹介。

マラリア・ワクチンは効果が減っていくため「失敗」だとする研究や
却ってマラリアにワクチン耐性をつけて劇症化させているとのエビデンスも多い、と。
(ただし情報源は示されていない)

ポリオについては前エントリーで紹介した3月の別記事と同じく
先進国では禁じられている活性ワクチンが途上国では使われていることや
インドでの「撲滅」の裏でNPAFPが増加していることが指摘されている。

さらにゲイツ財団がグローバル・ヘルスへの貢献を謳いながら
マクドナルドやコカコーラに投資していることの怪を指摘。


この記事の結論は以下のパラグラフと思われ、これもまた当ブログが指摘してきた通り。

The Bill & Melinda Gates “Foundation” is essentially a huge tax-avoidance scheme for enormously-wealthy capitalists who have made billions from exploiting the world’s people. The foundation invests, tax free, money fr0m Gates and the “donations” from others, in the very companies in which Gates owns millions in stocks, thus guaranteeing returns through both sales as well as intellectual-property rights. To add insult to injury, the system perpetuates the spread of disease rather than aids in their eradication, thus perpetually justifying his endeavors to “eradicate” them (solving a problem they are creating).

ゲイツ財団は本質的に、世界の人々を搾取することで憶万の富を手に入れてきた、極めて富裕な資本家のための巨大な租税回避の仕組みである。

ゲイツ財団はゲイツやその他の富裕層からの「寄付」という免税された金を、ゲイツ自身が何百万ドル相当の株を所有する企業に投資することによって、売上からも知的財産権からも利益が保証されるという仕組みだ。

さらに酷いことには、こうしたシステムによって病気は撲滅に向かうどころか永続的に拡がったままとなり、彼が「撲滅」すると言い続けることに(自分が創出した問題を自分で解決することに)永続的な正当性を与えてしまう。


著者は最後に、
では、ゲイツ財団やゲイツ氏のような慈善家がいないほうが世界はベターな場所になるのか、と問い、
彼らがやっているようなまやかしではなく正直でまっとうな慈善が行われればそうなるだろう、と
書いた後で、以下のように記事を締めくくっている。

It is quite certain that if the enormous investments (or “donations”) had been focused on community-based nutrition programs, public-health programs and sustainable enterprises, the world would be better.

これらの多額の投資(「寄付」と呼ばれているが)が地域基盤の栄養改善事業や、公衆衛生事業、持続可能な試みに焦点化して使われるならば、世界はベターな場所となるだろう。


――賛成。

Bill Gates, Big Pharma, Bogus Philonathropy
News Junkie Post, June 7, 2013


で、ここ数日にも出てきているニュースとして、


② 英国が中心となって呼び掛け、G8もグローバルな飢餓の問題に多額の資金提供を約束。
http://www.ibtimes.co.uk/articles/476474/20130609/g8-hunger-summit-bill-gates-david-cameron.htm

EUエイズ結核マラリアその他、貧困地域に広がる病気研究で、ゲイツ財団と提携
http://www.euractiv.com/innovation-enterprise/eu-bill-gates-sign-disease-resea-news-528455


つまり、この領域でマーケット参入、国際競争への参加資格を得るためには
そういう道を選ぶしかない世界がすでに出来上がっているということなんでは?
例えば、以下のエントリーで紹介した記事が指摘していたように、
科学とテクノロジー研究の国際競争では以下のような実態があるから?

ゲイツ財団がカネを通じて
国際機関や医療系の研究所に影響力を行使していることによって、
科学者から多様な意見が出なくなり、国際機関の方針決定のプロセスにも影響して
意思決定プロセスが閉鎖的なものとなって透明性を失っている、