米国の医療機関に、車いす使用者の診察予約の電話を入れてみたならば……(調査)

米国内科学会誌に
車いすを使用している成人は
障害のない成人に比べて医師にかかりにくく、
予防医療も非障害者ほど受けられていない、との調査結果が報告されている。

この研究のデザインが非常に興味深くて、

肥満していて半身まひの車いす使用者で、
自力では車いすから診察台に上がることができない架空の患者の
診察予約を電話でとってみる、という調査。

米国4市の内分泌科、婦人科、整形外科、リューマチ専門家、
泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、精神科の256の医療機関に電話をかけた。

受け入れられないと回答したのは22%。

4%では建物がアクセス不能

18%が、患者を車いすから診察台に移すことができない、と回答。

高さ調節のできる診察台またはトランスファー用のリフトがあると答えたのは 9%。

診療科の中では婦人科が最もアクセス不能率が高く、44%だった。

論文の結論として、
米国障害者法で求められている内容を医療提供者が理解する必要がある、
車いす仕様の患者への医療のスタンダードが必要である、の2点が提言されている。



この問題については
Alicia OuelletteのBioethics and Disabilityの成年期を扱った第5章で、

障害のある女性がリプロダクティブ・ヘルス周辺で
検診をはじめとした基本的な医療すら受けにくい問題を中心に取り上げられていた。