「カネがないから国民に障害を負ってもらっては困る」ならば What’s your plan?

英国で
自立生活給付が廃止されるのは違法だと障害者らが訴えたことをめぐり、
「カネがないから障害を負ってもらっては困ると言うなら、どうするというの?」
というタイトルの論考。

最も障害の重い人口の2%が予算削減の15%分をかぶるというのは
非道ではないか、と訴えている。

自立生活給付は労働年金省から年間3億2000ポンド。
現在18000人が受給し、それによって地域生活を送ることができているが
なくなれば地方自治体のケア・パッケージに全面依存することになる。

脳性マヒの女性はかつて自治体のケア・パッケージだけでは
生理の時のケアを十分に受けられず、子宮摘出を余儀なくされた。

排泄は自立しているのに、自治体のケア・パッケージでは
介助者が頻回に訪問してくれないためにオムツになった人や、

大きなチャリティの理事なのに
理事会にも出席できなくなる人も。

労働年金省は金額分が自治体に回ると正当化するが
その金額には使途が指定されていないので障害者介護に回るとは思えない。

でも何よりもこの記事に共感するのは、ここ。

Simply on a practical level, if people aren’t looked after properly their needs increase.……(中略)……They get depressed. They get bedsores. They need district nurses and mental health services. They will end up in residential homes, the solution which has the distinction of being both the most expensive and the most feared.

単純な現実問題として、ちゃんとしたケアが受けられないと、その人のニーズは大きくなる。……鬱になるし、褥そうはできるし、訪問看護精神科医療が要ることになる。そうして最後にはケアホームに入ることになる。一番カネがかかって、一番嫌がられている解決策だというのに。

Saving money in this area does not save real money, therefore; it saves wooden dollars, which pop up as a cost somewhere, and the political statement is much deeper than “we can no longer afford disability rights”. The political statement, here, is “we can no longer afford for people to be disabled”.
……(中略)……well, then, what’s your plan? What’s your plan for these people whose lives we apparently can’t afford?

だから、この領域でカネを節約すると、却ってカネはかかることになって、必ずどこかでコストになって戻ってくる。でも、ここで政治からのメッセージは「カネがないから障害者の権利どころじゃない」で留まっていない。ここで言われているのは「カネがないから国民には障害を負ってもらっては困る」。

……それなら、政府はどうしようというの? カネがないから生きててもらったら困りますと言われている人達を、一体どうしようというの?