えーっ! そうだったんですかぁぁ? 仰天の、欧米先進国『脱施設』の裏側

立岩真也氏が生活書院のHPで
次の『生死本』というタイトルの本の準備として連載をスタート。

現在、以下の2つ。



この2つ目の中に、『脱施設』をめぐる事実関係で
「ええ――――っ! そっ、そんなぁ。そうだったんですかぁぁぁ??」と
思わず絶叫してしまった話があって、

立岩先生の連載2回目から
私が仰天した部分をメモとして抜いておくと、

ここで一つ押さえておいた方がよいことを加えと、この知的障害者の施設にしても次にあげる精神病院にしても、 ヨーロッパや北米にあったのは本当に巨大な施設・コロニーであったということであり、それは日本で、当初民間で、ぽつりぼつりとようやくできたいった施設 とは──どちらがましだといったことを言いたいのはではないが──様子がだいぶ異なるものだった……


……ただ病院・施設にいたくないとしても、代わりにもっとよい場所がなければ、当たり前のことだが、まだそこにい た方がましである。しかし代わりにいる場所がないまま「脱」が進められたことがあった。一九六〇年代の米国における精神障害者の「脱施設(病院)化」が、 暮らしやすい居場所を見つけられない人たちを大量にを生み出したことはよく知られている。


アメリカにとって一九六〇年代は力動精神医学が中心でしたが、ケネディ大統領は、精神病院の病床を五十万 床から十五万床に減らすことを一気に三年で行います。大統領の任期が四年ですから二十年計画でやるとういことはアメリカではあり得ません。精神病院を小さ くする代わりに各地に精神保健センターをつくるという計画でした。しかし精神保健センターには患者さんは来ませんでした。カーター夫人が一九七七年に世界 精神保健連盟(WFMH)の総会で、これは失敗であり、患者はセンターに来なかったということを話していました。実際、大部分がホームレスになったり、あ るいはギャングに生活保護費のウワマエをハネられる存在になったといいます。<0129<
 現在アメリカではどうなっているかというと、メンタルヘルスセンターはとうとうレーガン大統領の時代には廃止されてしまったということです。」(中井[2004:129-130])




「よく知られている」って……。

じゃぁ、ど~して、私にこれを言ってくれる人は
今までどこにもいなかったのよォォ? 

なんか、今まで騙されてたみたいな、
うらみがましい気分になってしまった。

まぁ、そもそも自分がものを知らないんだから
自業自得ではあるんだけれど、

私が聞かされてきたのは
「施設入所はゼッタイ悪」「脱施設だけが善」
「誰もが自立生活を送れる社会だけが目指すべき正しい道」
「地域移行が実現すれば、もろもろの問題は解決」
みたいなトーンの話が多かった。

少なくとも私の個人的な体験では
そういう印象が突出している。


「今はもう時代が違うんだよッ」って
私を怒鳴りつけた『施設解体だけが正しい』だった人は、
この事実を知らなかったのだろうか。

もし知っていたのだとしたら、
じゃぁ、あの人は、たとえ施設解体で居場所を失う人が出ても、
それは正しい運動のためのコラテラルダメージだとでも
思っていたんだろうか……。


が~~~~~~~~~~ん。

この新発見、
私はショックだぁ~~~~~~~~~。


だって、もう何度も何度も言ってきたように、
今回の法改正で「地域移行」が施設からの追い出しのアリバイに使われた時、
真っ先にそのコラテラル・ダメージになるのは私たちの子どもなんですけど――?


立岩先生は「よく知られている」と言うんだけれど、

日本で『脱施設』を言い続けてきた人たちは、
これ、知らなかったの? 

それとも知ってたの?