「でも、そうかしら。なんにも考えなくても私はいるわ」

これ、すごい……と思ったので、
とりあえずメモ。

 昔、デカルトが、「我思う故に我有り」といいました。思うから、考えるから私が存在しているのだ、と。でも、そうかしら。なんにも考えなくても私はいるわ。窓から入ってくる風を頬に受けて、「あぁ気持ちいいなぁ」と目を細める時、私は何も考えていないけれど、確かに存在しています。もう身体感覚的にそう。
(p.135)

田中美津
「身体に聴いて、心を癒す」
2004年9月18日 名古屋YWCAにて
「かけがえのない、大したことのない私」(インパクト出版会)



どんなにエラい学者から
「オマエには正しく読めていない」と言われようと、
暗に「オマエみたいな素人に批判する資格はない」と恫喝されようと、

「だって、私は重症障害のある娘と生きてきた親として、
この人には重症障害児・者の現実がわかっていないとしか思えないんだもの」と、

知識や立場や権威に依っかかった言葉ではなく、
自分自身の生きてきた道筋と、自分自身の生身の身体を通過した言葉で
言い続けられる自分でありたい……と

改めて思わせてもらった。