NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース
2008年の事件。
2008年に母親が産婦人科医を訪れ、
知的障害のある娘カルメン(22)は生理が重く、生理痛もひどく
頻繁に尿路感染を起こす、自分でケアできない不衛生が原因で
腎臓に感染が起きて、既に片方の腎臓は摘出しているし、
腎臓でかかっている娘の主治医は
今度尿路感染を起こしたら命の危険があると言っている、との理由で不妊手術を希望。
産婦人科医はカルメンを診察する前から、
部分的な子宮摘出手術に同意した。
The North Dakota Protection & Advocacy Project(ND P&A)が
カルメンの母親と産婦人科医と話したが、
カルメンの人権について納得してもらうことはできなかった。
そこでND P&Aは代理人裁判所へこの問題を持ち込み、
審理では自らがカルメンの代理人となった。
ND P&Aが証人として呼んだのは
カルメンの介護サービスを提供している事業所の看護師で、
カルメンのケアの記録からは
生理は重くはないし、異常なほどの生理痛もないし、尿路感染もなく、
プロの介護を受けて生理のケアが不衛生になることもないし、
腎臓の専門医から不妊手術を進められている事実もない、
本人は産婦人科医の診察を恐れており、
不妊手術は嫌だと言っている、と証言。
裁判所は手術を禁じた。
2008年に母親が産婦人科医を訪れ、
知的障害のある娘カルメン(22)は生理が重く、生理痛もひどく
頻繁に尿路感染を起こす、自分でケアできない不衛生が原因で
腎臓に感染が起きて、既に片方の腎臓は摘出しているし、
腎臓でかかっている娘の主治医は
今度尿路感染を起こしたら命の危険があると言っている、との理由で不妊手術を希望。
産婦人科医はカルメンを診察する前から、
部分的な子宮摘出手術に同意した。
The North Dakota Protection & Advocacy Project(ND P&A)が
カルメンの母親と産婦人科医と話したが、
カルメンの人権について納得してもらうことはできなかった。
そこでND P&Aは代理人裁判所へこの問題を持ち込み、
審理では自らがカルメンの代理人となった。
ND P&Aが証人として呼んだのは
カルメンの介護サービスを提供している事業所の看護師で、
カルメンのケアの記録からは
生理は重くはないし、異常なほどの生理痛もないし、尿路感染もなく、
プロの介護を受けて生理のケアが不衛生になることもないし、
腎臓の専門医から不妊手術を進められている事実もない、
本人は産婦人科医の診察を恐れており、
不妊手術は嫌だと言っている、と証言。
裁判所は手術を禁じた。
一見すると、
生理が異常なほど重くて、貧血やけいれん発作を引き起こしていて
それが命にかかわるほどになっていると読めるのですが、
生理が異常なほど重くて、貧血やけいれん発作を引き起こしていて
それが命にかかわるほどになっていると読めるのですが、
よくよく読むと、
けいれん発作も貧血も現在は収まっていて
書かれているような「健康問題」も「命の危険」もどこにも存在しない。
けいれん発作も貧血も現在は収まっていて
書かれているような「健康問題」も「命の危険」もどこにも存在しない。
でも、それが存在するかのように
マヤカシと隠ぺいのトリックを駆使して書かれている。
マヤカシと隠ぺいのトリックを駆使して書かれている。
何がそう「読める」んであり「書かれている」のか、というと、
他ならぬ判事による判決文だから、びっくりで、
他ならぬ判事による判決文だから、びっくりで、
それが何よりもこの事件の最大のミステリー。
そこに共通しているのは、
その文化は強制不妊が人権侵害だとの意識自体が低いために、
「健康問題」とか「本人のため」という正当化を持ちだされると
個別の事実関係に即して丁寧にそれを検討するプロセスをすっ飛ばして
簡単に説得されてしまう人たちがいる、という点。
個別の事実関係に即して丁寧にそれを検討するプロセスをすっ飛ばして
簡単に説得されてしまう人たちがいる、という点。
これはアシュリー事件での
生理が始まってもいない段階から「生理痛を予防する」とか
「万が一レイプされた時の妊娠予防」などという正当化論に
簡単に説得されてしまう人が少なくなかったことにも通じていく。
生理が始まってもいない段階から「生理痛を予防する」とか
「万が一レイプされた時の妊娠予防」などという正当化論に
簡単に説得されてしまう人が少なくなかったことにも通じていく。
【Angela事件関連エントリー】
豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める(2010/3/10)
Angela事件(豪):事実関係の整理(2010/3/10)
Angela事件の判決文を読む 1(2010/3/11)
Angela事件の判決文を読む 2(2010/3/11)
重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)(2010/3/13)
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Angela事件の判決文は、Ashley論文(06)と同じ戦略で書かれている 1(2010/3/17)
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