スイスVaud住民投票、ナーシング・ホームと病院での自殺幇助へ新法

去年4月に以下のエントリーで紹介した住民投票
17日に行われ、Vaudカントンで新法が作られることに。



刑法に個人的な利益ですることでなければ自殺幇助を違法ではないと解釈させる個所があるものの
スイスには自殺幇助に関する明確な法規制は存在していない。

今回17日に行われたVaudカントンの住民投票
ナーシング・ホームと病院でも自殺幇助の希望があれば専門職はその希望を尊重すべきだ、と
62%が回答したことにより、

Vaudカントンで
スイスで初めての自殺幇助に関する法律が誕生することに。

新法が施行された後には
ホームと病院のスタッフには
自殺幇助を希望する人の意志を尊重する義務が生じることになる。

ただし条件として、
希望者は不治の病または怪我を負っていることと
自己決定できるだけの知的能力があること。

その2条件の判断は
ナーシング・ホームの施設長と病院の場合には主任医師によって行われる。

17日の投票では
ホームと病院の入所者・患者には無条件でPASを認めるべきだとする
自殺幇助機関Exitの選択肢も含まれており、

一定の条件をチェックした上で認めるとの案は
それに対抗する選択肢として提出されたもの。

こちらの選択肢はVaudのナーシング・ホームと医師らの協会も支持していた。
住民はExit提案を採らず、こちらを選択した結果に。

Exit側は、
医療サイドが最終的な判断権を持つなら、それは個々人の決定権の侵害であり、
組織的パターナリズムだと主張しており、

この法律ができても
施設側は自殺させないために手を尽くすだろうし、手続きも長くかかるので
自殺希望者は退所・退院して家に帰ってから自殺幇助を求める方がよい、と。



なお、Exitからは、住民投票の直前に以下のような情報を流れていました。