「医療費を払えないなら呼吸器依存の移民は自国に帰って」とアリゾナ州の病院

Arizona州Phoenixで19日に
サッカーをやっている最中に倒れて意識を失った男性 Joses Cornelioさん(23)は
Banner Good Samaritan病院で呼吸器をつけている。記事によると原因は不明。

Cornelioさんは子どもの時に米国にきたメキシコ生まれの移民で、
市民権はとっておらず、健康保険にも入っていない。

妻の話では
Cornelioさんは妻の語りかけに反応し、手を握り返してくるというが、

病院側から1週間の内に転院先を探すよう求められ、
それがかなわない場合には2つの選択肢を提示されたという。

その選択肢は
① 家に連れて帰ってホスピスケアを受ける。
② メキシコに連れて帰って介護を受ける。

妻は
「夫は回復しようとがんばっているんです。
でも病院は“費用をいったいだれが払うの?”って」

Man on life support forced to leave Phoenix hospital?
Everything Arizona, September 26, 2011


まず、すぐに思ったのは、

これはもう“無益な治療”論ですらなく、
“無駄な医療費負担”論では、ということと、

アリゾナ州の州法がどうなっているのか、
その「1週間以内に、さもなければ」という通告に
どのような法的根拠があるのだろう、ということ。

それから、すごく気になることとしては、
記事に寄せられたコメントをざっと眺めてみると、
こうした問題が移民への排斥感情に直結していきそうなこと――。

これは以下の事件などを通して08年あたりから気がかりだったこと。



なお、
これまでに合法移民の患者がターゲットになった“無益な治療”事件で
当ブログが拾っているのは、少なくとも以下の3件。

① 2005年、テキサス州 Habtegiris事件
医療費払えず「無益な治療」(TX)(2009/10/20)


③今年、カナダのRazouli事件(名前は記事によって s  と z まちまち)
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)

さらに、Razouli裁判関連の上記5月19日エントリーで拾った情報によると、
イスラム文化との摩擦が法的な問題になるにつれ、
シャリア法の解釈導入を禁止する動きも。