NZで「無益な治療」論による生命維持停止からの回復例

NZ、オークランド
交通事故で大けがを負った後
「無益な治療」論で生命維持を中止された女性が
鍼灸師の両親による漢方と鍼とホリスティックによって一定の回復を見せ、
それを見た医師らが家に連れて帰ることを許可。

地元の病院チームが生命維持を再開するや、一気に元気を取り戻して
事故から半年後の現在、自宅で1月間の作業療法を終え、近く大学に復帰する予定だとか。

女性はKimberly McNeilさん、18歳。
彼女が事故に遭ったのは12月27日。
重症の頭部外傷のほか、肋骨12本他が折れてAuckland City 病院に運ばれた。

生命維持装置のスイッチが切られたのは1月14日。
事故から、わずか15日後のことだった。

Kimberlyさんは生命維持を中止した西洋医学に恨みはないと言いつつも、
「お医者さんたちはただ教科書を読むだけじゃなくて、
患者を読む力を養わないと。患者は一人一人違うんだから」

Parents refused to let daughter die
Sunday News, July 3, 2011


その辺りの事情の詳細は記事にはありませんが、
両親ともに鍼灸師で、医師らの「(回復不能との)診断を受け入れることを拒否」して、
知り合いの中国人の神経専門医に相談し、医師らの許可を得た上で
娘に漢方や鍼などの治療を施したというのだから、

オークランドでは、
家族の意思に関わらず、病院や医師に一方的な生命維持を停止する権限が認められている、
ということになるのでは?

米国でも、そこまで認めている「無益な治療」法は
テキサスだけみたいなのだけど。

米国の「無益な治療」論関連法については以下のエントリーなどに見るように
テキサス以外の約10程度の州では、無益と判断した治療を拒否する権利は認めるものの
家族には転院先を探す猶予を与え、転院までは生命維持の続行を求めている……
のではないかと思うのですが。

また、テキサスでも実現には至っていないものの、一部の議員さんたちによって
転院まで生命維持続行を義務付ける法改正への努力が行われているのですが。




なお、これまで当ブログが拾った回復事例に関する話題を以下に。

【米国:リリーさん】
植物状態から回復した女性(2007年の事件)





【豪 Gloria Cruzさん】
またも“脳死”からの回復事例(豪)(2011/5/13)