英国DPP、自殺幇助の逮捕者をまた不起訴

去年、DPPのガイドライン策定以降初の逮捕者として騒がれ、
以下のエントリーでとりあげた事件の続報。



MS患者の学者Caroline Loderさん(48)の自殺に関連して
幇助容疑で逮捕された3人はいずれも不起訴になったとのこと。

一人はFriends at the End(FATE)という自殺幇助アドボケイトの幹部で
元GPのLibby Wilson(84)。

それからそれぞれ70代と50代の男性が2人。

男性の1人には十分な証拠がなく、
他の2人については、起訴は公益にならない、との理由で不起訴に。

Wilson医師が主張するところでは、
LoderさんはFATEに電話をかけた時点で
既にヘリウム自殺の指南書とヘリウムと頭にかぶる袋を手に入れており、
ただ手順の確認のための電話に過ぎなかった、と。

(じゃぁ、なんでボランティアが2人も手伝いに駆け付けたんでしょう?)

この人は、とても気になる発言をしており、

「ヨーロッパ人権条約では、
合法的な行為を行いたいと望む人には
それを効果的に遂行できるようにする可能な限りすべての情報を
手に入れる権利があるとされている」と。

だから、DPPのガイドラインでは明確化が不足している、と
同医師は主張するのですが、

しかし、自殺は違法行為でないというだけで、それが即座に
情報を与えられるべき合法的な行為と読み替えられるというものでもないと思うし、

そもそも英国では、DPPのガイドライン以降、誰も起訴されていない。

無罪放免とされたケースはそれぞれに多様で(詳細は文末にリンク)、
その多様さを振り返ると、ガイドラインは事実上の合法化ではないか、と思ってしまう。




DPPガイドライン後に不起訴となった事件は、以下。