コロンビア大の脳研究で、精神障害者らに不純物混入薬物注射が常習化

精神疾患治療へのPET画像診断応用研究で世界的に有名な
コロンビア大学の Kreitchman PET Centerで、

研究所責任者による公認状態で、4年間に渡り、常習的に、
精神疾患のある被験者の脳画像診断の際に
害をなす恐れのある不純物が混入した薬物を注射していたこと、

FDAの調査が入った際には
記録を改ざんして、その事実の隠ぺいを図ったことまで明らかになり、

研究中止と、研究責任者の首の挿げ替えが行われた。
ただし、公式な発表はなく、NY Timesの調査で判明したもの。

メディア報道を受け、Columbia大学は独自に調査を開始する、としている。

同研究機関の内部の品質管理の甘さ、注射剤管理の甘さについては
2008年12月にFDAが指摘し、改善を求めたが
今年1月にFDAが検査に入った際にも、まだ改善されておらず、
6つのカテゴリーで違反行為が指摘された。

ただしFDAも調査結果は公表していない。

PETを使った脳画像診断によって、
統合失調症や重いうつ病などの診断技術の向上や
薬の効き方の把握に役立てようとする研究で
同センターには連邦政府からも製薬会社からも多額の研究資金が提供されている。

問題になっているのは、画像診断の際に注射する低レベルの放射性トレーサー。

トレーサーとして使われる薬剤そのものは安全と考えられているが、
劣化が早いためにそれぞれの研究所で作ることが通例となっており、
FDAプロトコルや混入物のレベルを規制している。

Kreitchmmar PET センターでは、2007年から4年間に渡り、
規制値を超える不純物の混入した注射液が使われており、
不純物の特定も、強さや、それぞれの純度も確認も行わず
患者に注射していた。

内部の事情を知る匿名の元職員は、
これらは当たり前の慣行となっていただけでなく、
FDAの警告を受けた後にも、研究成果を出すことが優先されて
混入を隠蔽したまま使用続行が責任者によって容認されていたと証言。

St. LouisのWashington大学・放射性薬物研究委員会のDr. Barry Siegelは
患者の安全問題と同時に、

不純物が結果のデータに影響している可能性を指摘し、
役に立たないデータをとるために人を放射性物質にさらすなど倫理問題だ、と。