2010年7月21日の補遺

ドイツのSpiegelという雑誌の英語・電子版で、医師527人への安楽死に関連したアンケート結果と、それを巡ってSpiegel誌とドイツ医師会会長との激しい応酬。:Spiegel誌の質問というかツッコミ方が、なんともえげつなくて、つい最後まで読んでしまった。あ~不愉快。

ドイツ医師会はずっとドイツの医師は自殺幇助に反対だと言って、ガイドラインでも禁じてきたが、見てみろ、3割もの医師がターミナルな患者は死なせてもいいと考えているじゃないか、4人に1人は積極的安楽死だってありだと答えているんだぞ(「そんなにも多くの医師が患者を殺すことを考えているとはショックだ」と医師会会長)、医師会のガイドラインの方が実態に合っていないぞ、医師会だって意見は割れているじゃないか、国民だってマジョリティは自殺幇助を支持しているし、政治家だってそうだ。医師の考え方がやっと国民に追いついたということだろう、今のガイドラインは変えるべきだろ、 倫理観なんて人それぞれだろ、医師と患者本人で決めたっていいじゃないか、だいたい今だって消極的安楽死だの栄養と水分の停止だの、実際にはやってるじゃないか、今のガイドライン憲法で保障された個人の自己決定権に反しているぞ、Oregonを見てみろ、合法化したって、すべり坂なんて起こっていないぞ、だいたい医療倫理と法律の間にギャップがあんだよ、ギャップが……みたいな。良いカッコしようと勢い込んだ時の古館さんみたい。それにしても、「憲法で保障された自己決定権」がそこまで絶対視されてくるか……。
http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,707438,00.html

不況で、これまで25の州が高齢者と障害者の在宅ケアのカットに踏み切っている。具体的には受給資格の所得制限を下げるなど。しかし在宅ケア・サービスは施設入所を遅らせることができるため、長期的に見れば州にとっても節約になるはずなのだけれど。:冒頭でとりあげられているのはOregon州の障害者。Oregonは尊厳死法があって、l抗がん剤はダメだけど自殺幇助ならメディケア支給しますよ、というところだからなぁ。
http://www.nytimes.com/2010/07/21/us/21aging.html?_r=1&th&emc=th

Biedermanスキャンダルを始め、ここ数年の研究者と製薬会社とのスキャンダルを受けてHarvard大学が医大の中でも異例の厳しさの方針を打ち出し、医師らに企業からの物品・金銭の授受を規制することに。アカデミズムと医学の価値を守るべく、アカデミアと企業の協働のあり方のモデルを作る、と。
http://www.bloomberg.com/news/2010-07-21/harvard-doctors-to-shun-industry-gifts-meals-under-new-conflicts-policy.html
http://www.boston.com/news/education/higher/articles/2010/07/21/harvard_puts_tighter_limits_on_medical_faculty/