また英国の著名人がDignitasで自殺:Purdyさんと同じ多発性硬化症

3月19日、画家(漫画家?)の John Hicklenton氏(42)が
Dignitasで幇助自殺。

10年間、多発性硬化症(MS)と闘病しており、
絵を描くことを闘病の力としようとする姿が2008年に
テレビのドキュメンタリーに取り上げられ、賞をとったことも。

Dignitasには、友人や家族が同行したとのこと。



同行した友人や家族について、
またDPPがガイドラインに沿って検討し、
「自殺幇助ではあるが、起訴することは公益にならない」と判断するのでしょう。

あのガイドラインが出たことによって
家族や友人に付き添ってもらってDignitasで死のうとする人が増えて
一定の障害像になったら死んでもいいし、それが美徳なのだという価値意識が
どこかで作られていくとしたら、

あのガイドラインそのものが公益に反しているのではないかと思うのですが……。

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もう1つ、私にはずっと気になっている疑問があって、
一部のメディアはDignitasのことを「クリニック」と書いているのですが、

Dignitasはこちらのエントリーの記事にあるように
スタッフ2人の存在が触れられてはいるものの、
事実上、創設者Ludwig Minelli一人がやっているようなもので、

その Minelli自身は弁護士。医師ではないのです。

上記リンクの記事では、
実際に幇助行為を行うのはかつて会員だったボランティア女性。
特に医療職だとは書いてありません。

また、ドイツ語なので内容の詳細は分かりませんが、
Dignitasの公式サイトにも、クリニックという表記はありません。

はたしてDignitasをクリニックと捉えるのは、本当に正しいのかどうか……。

ただ、医師がいない組織に、毒物がなぜ入手・保管できるのか、
それも、また、不可解なのですが……。