Biederman スキャンダルでADHDの治療ガイドライン案がボツに(豪)

去年、巨大製薬会社とのえげつない癒着振りが騒がれた
著名児童精神科医Biederman医師のスキャンダルが
ADHDや小児の双極性障害薬物療法エビデンスに疑問を投げかけたのは
記憶に新しいところですが、
(詳細は文末にリンク)

このスキャンダル、今頃になって、オーストラリアに飛び火。

2007年からオーストラリアの小児科学会が
ADHDの治療ガイドラインを作っていたらしいのですが、

リタリンなどの薬物療法を最善の治療法としているものだから
没にして、新たに書き直されることに。

南オーストラリア大学のBrentonProsser教授は
「親御さんには薬物療法は最後の手段に、と薦めます。
薬がスキルを身につけてくれるわけではないし、
人付き合いのスキルを磨いてくれるわけでもないですからね」

オーストラリアでも去年、
このガイドラインの策定を担当した10人のうちの7人に
ADHDの治療薬の製薬会社と金銭的な繋がりがあったことが判明した、とのこと。

ADHD guidelines pulled after payment scandal
The Herald Sun, (The Daily Telegraph), November 23, 2009



私は、3年半くらい前に仕事で介護と医療関連の英語ニュースを読むようになってから、
こんな重大なニュースなのに、どうして日本では報道されないんだろう……と
首を傾げることがなんとも多いのだけど、

このBiedermanスキャンダルも、その1つ。

オーストラリアでも、もしも、このスキャンダルが報じられていなかったら
ADHDの治療ガイドライン策定に関わっている医師らの
製薬会社との関係が取り沙汰されることもなかったのかもしれないし……。

もちろん英語圏同士だと情報はツーツーだから隠しようがない、ともいえるわけですが、

インターネット時代なのだから日本でも情報そのものは入っているのに
なぜか、ある種のニュースには、日本のメディアはまったく反応しない。

メディアが反応しないから、ネット上でごく限られた人の間で知られていても、
それだけで終わって、然るべき動きにつながるということがない。

メディアがまさか本当に知らないのか、それとも知っていても反応しないのか、
その辺りのことを考えると、ものすごく不気味……。

当ブログが拾った“その種のニュース”とは、
このBiedermanスキャンダルの他に、例えば、