Obama大統領の医療改革が目指すものはIHMEと同じ?

自分の国の医療制度だって詳細となるとさっぱり分からないのだから
さらに複雑怪奇と見える米国の医療制度のことが、
私などに分かるはずもないのだけど、

Obama大統領が医療制度改革は公約に上げていたし、
就任演説の時に「科学の力を借りて医療改革を行う」みたいなことを言ったのもずっと引っかかっていて
いよいよ医療制度改革案がいろいろ取りざたされているらしいニュースを読むと、
やっぱり気になってしまう。

で、実際に詳しく解説されたものを読んでも理解できないので
こういう分かりやすいものに飛びついてしまうのだけれど、



ずっと昔から皆保険は「社会主義医療」だと反対してきた共和党の立場からの批判なので、
それはそれとして読むとして。

Obama民主党案が目指す皆保険ビジョンというのは
全国民の健康・医療データの全てを国がオンラインで管理して、
科学的なエビデンスに基づくコストパフォーマンス判断を行い、
個々人に最適な医療を受けてもらおう、という仕組み。

こんな仕組みでは高齢者は切り捨てられて、
治療するよりも自殺幇助を受けなさいという話になる。

Obama大統領の巨額の経済刺激策の中に
The Federal Coordinating Council for Comparative Effectiveness Research(190-192)
という研究があるが、

それは「もう治る望みがなくなった人には
最新テクノロジーや高価な薬を使っても意味がないから
そういう治療をやめることでコストを削減しましょう」という方向に
誘導するための研究である。

実際に英国のNHSでは、
このCEが患者への治療を拒否する言い訳に使われているんだぞ。

退職者アドボケイトのAARP は一体何をボケっとしているのだ???
会員である高齢者の利益を守るべく、さっさと戦わんかいっ。

だいたい、こんな感じの記事。

事実関係が、この記事の通りだとすると、
ゲイツ財団がIHMEを通じてグローバル・ヘルスでやろうとしているのと同じことを
Obama大統領は米国の医療でやろうとしているということ──?

確かに、それでこそ
「科学の偉業によって医療を効率化する」といった
就任演説での約束にふさわしいのかもしれないけど──。


もちろん、この記事を読めば、
でも、だからといって、貧乏で健康保険に入れないような人たちは
みんなで面倒を見る必要などなくて個人で勝手に死ねばいいという話でもないだろう、とは思うのだけど、

ただ、その一方にあるのが、
国民に広く浅く医療を保証するためには科学とテクノロジーを駆使して、
科学とテクノロジー資源の最も効率的な配分方法を考えるしかない……という話なんだとしたら、

高齢者も障害者も、医療のコストパフォーマンスを持ち出されたら
そんなものが良いはずは金輪際ないのだから

どっちに転んでも、
貧しい病人(ゼニも手もかかる高齢者も障害者も)を待っているのは
「じゃぁ、せめて、苦しむ前に自殺幇助してくだせぇ」と言いたくなる現実なのかなぁ……。

あ、もちろん、そこは”死の自己決定権”を行使して
”自己責任・自己選択”として”尊厳死”を選ぶわけですけど。

だってね、私はなんとなく予感がする――。
これから医療の現場では「カウンセリング体制」が充実してくるんだろうな、という予感が――。



ちなみに、自殺幇助が既に合法化されたOregon州では、
「抗がん剤治療はダメだけど自殺幇助はOK」とメディケアという話が現実になっています。