「金持ちはゼニ出そうよ。慈善って楽しいよ」とBill Gates

別に子どもに何も残すなとは言わないから、
億万長者たちは資産の大半を慈善に寄付するべきだよね。

ゼニは一番持っている人から、一番持っていない人に流れなければならないと思うんだ。
それに、慈善って、やってみたら分かるけど、楽しいよ。

自分も楽しいし、子どもだってその方が幸せだし、
それに世界がもっと幸せになれるし。

……と Bill Gates 氏が オスロで開かれたWorld Economic Forum で6月3日に。

この記事によると、ゲイツ財団のこれまでで最大の功績は
ポリオの撲滅が実現まであとわずかというところまで来ていることに象徴されるように
ワクチン開発と普及の支援。

ゲイツ財団は今、AIDSのワクチンが10年から15年後にはできるのではないかと
その研究に力を(つまりお金を)注いでいる。

ちょっと気になる箇所として
ワクチンとは別に、
1つ有望視されているAIDSの予防法(emerging prevention method)があるらしいのだけど、
それは「ワクチンができるまで、女性が使うことができる」感染予防方法。

なんだか、このあたりから
根底に白人男性赤首的価値観が色濃い科学とテクノの文化の香りが
ほのかに漂ってくるような気がするのだけど、気のせいかしら。



この記事は、ちょっと前に見つけて
ゲイツさんが楽しいのは「ゼニを豪気に出してあげる」という行為が楽しいんじゃなくて
それによって世界の保健医療の施策に影響力を持ち、
WHOやUNICEFF、世界銀行や先進国政府すら顔色を伺うほどの権力を握ることが
楽しいだけなんじゃないですか?

……と斜め読みで打っちゃっておいたのですが、

前の2つのエントリーで取り上げた記事を読んでから
ついでにちょっと紹介しておきたくなった。

経済のグローバリゼーションがIT技術の登場で急加速したことを思うと
そのIT技術の生みの親が保健医療でもグローバリゼーションを先導しているというのは
とても象徴的なんだろうなぁ……と思う。

そして、グローバリゼーションがネオリベラリズムを推し進めて
今のような世界人口の1%以外は誰も穏やかに安心して暮らせないような、
力の強い者がブルドーザーのように力任せに力の弱い者を踏みにじり、
なぎ倒していく状況を作ってしまったように、

グローバル・ヘルスでも、
それと同じことが起こっていくのではないのか、と嫌な予感がしてならない。

それにしても、
先進国がアフリカに捨てに行っている有害ITごみを
安全に処理する方法の研究とかには、ゲイツさん、興味ないのかな。


【アフリカに捨てられた有害ゴミ事件エントリー】
象牙海岸の悲劇
「象牙海岸で先進国の有害ゴミによる死傷者多数」事件:続報