ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌
著者のRobert Fortnerという人物は元マイクロソフトの社員で
こちらのエントリーで紹介した記事を書いた去年の夏には
Bill Gatesが科学研究にかける熱意がいかにすばらしいかについて本を執筆中で、
こちらのエントリーで紹介した記事を書いた去年の夏には
Bill Gatesが科学研究にかける熱意がいかにすばらしいかについて本を執筆中で、
記事のトーンもまるで
「世界の帝王たるGates様はこんなにも世界のみんなの健康を案じてくださっているぞ」だった。
「世界の帝王たるGates様はこんなにも世界のみんなの健康を案じてくださっているぞ」だった。
今回見つけた上記記事の著者紹介によると、
あの本は書き上げて無事に出版したらしい。
あの本は書き上げて無事に出版したらしい。
そのFortner氏がIHMEの研究結果について
前のエントリーで読んだWashington大学の記事とはまた別のトーンで書いているのが、
もう、ぞくぞくするほど面白い。
前のエントリーで読んだWashington大学の記事とはまた別のトーンで書いているのが、
もう、ぞくぞくするほど面白い。
まず、前の時もそうだったけど、
FortnerはIHMEがゲイツ財団の私的研究機関だという事実をまるで隠そうとしない。
というか、IHMEの存在そのものがゲイツ財団の中に位置づけられていて
Fortner自身はGates氏に自己同視して文章を書いているので
IHMEだろうが所長のMurrayだろうがLancet だろうが、みんな上から目線。
ここが、なんとも楽しい記事なのですね。
FortnerはIHMEがゲイツ財団の私的研究機関だという事実をまるで隠そうとしない。
というか、IHMEの存在そのものがゲイツ財団の中に位置づけられていて
Fortner自身はGates氏に自己同視して文章を書いているので
IHMEだろうが所長のMurrayだろうがLancet だろうが、みんな上から目線。
ここが、なんとも楽しい記事なのですね。
しかし、その弊害として
The Global Vaccine Access Initiative(GAVI)と
The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaという
2大・超金持ち組織が出現してしまった。
The Global Vaccine Access Initiative(GAVI)と
The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaという
2大・超金持ち組織が出現してしまった。
それまで世界の医療を牛耳ってきたWHO、UNICEFや世界銀行も
一応そこに理事としてゲイツ財団と一緒に名前は連ねているけれども、投票権はないし
この2つは基本的にWHOなどの国際機関からの影響力を排除した組織である。
一応そこに理事としてゲイツ財団と一緒に名前は連ねているけれども、投票権はないし
この2つは基本的にWHOなどの国際機関からの影響力を排除した組織である。
今やWHOもUNICEFも「資金をくだせぇ」と頭を下げては
援助の対象たる途上国を相手に、資金を奪い合わなければならない事態となっている。
昔、有力政府とつるんでブイブイ言わしたガバナンス能力など、もう残っちゃいない。
援助の対象たる途上国を相手に、資金を奪い合わなければならない事態となっている。
昔、有力政府とつるんでブイブイ言わしたガバナンス能力など、もう残っちゃいない。
そこで今こそ脚光を浴びるのがIHMEなのだ。
当初は科学者らから「ゲイツは自前のWHOを作るつもりか」と批判されたし
Murrayの医療経済学理論(これがDALY)も以前はあちこちで冷や飯を食わされてきたが
国際機関がガバナンスを失った現在、
ゲイツ財団が資金を出してIHMEを設立しMurrayを所長に招いて
科学的に医療援助のコストパフォーマンスを点検し
アカウンタビリティを追求しようとしていることは
Murrayの医療経済学理論(これがDALY)も以前はあちこちで冷や飯を食わされてきたが
国際機関がガバナンスを失った現在、
ゲイツ財団が資金を出してIHMEを設立しMurrayを所長に招いて
科学的に医療援助のコストパフォーマンスを点検し
アカウンタビリティを追求しようとしていることは
まさに、先見の明による偉業でなくしてなんだろう(とは、さすがに書いていないけど)。
なんと、すばらしい我らが将軍さま……。
(いや、実際にそう書いてるわけじゃないですけどね、本当に、こんなトーンなんですってば)
(いや、実際にそう書いてるわけじゃないですけどね、本当に、こんなトーンなんですってば)
でね、私、思うに、
トランスヒューマニズムが実は米国政府の夢であったり、
予防医学という名前の科学とテクノ万歳文化の洗脳が起こっていたり、
欧米を中心に無益な治療概念がじわじわ広がっていたり、
自殺幇助の合法化も着実に実現されていっていたり、
科学とテクノと無益な治療法と尊厳死とあらゆるものが
障害児・者を産まないこと、切り捨てることに繋がっていたり、
予防医学という名前の科学とテクノ万歳文化の洗脳が起こっていたり、
欧米を中心に無益な治療概念がじわじわ広がっていたり、
自殺幇助の合法化も着実に実現されていっていたり、
科学とテクノと無益な治療法と尊厳死とあらゆるものが
障害児・者を産まないこと、切り捨てることに繋がっていたり、
グローバル経済で起こったことをグローバル・ヘルスが後追いする形で――。