DNA検査で子どもにやらせるスポーツを決める親たち

2歳半の息子を持つ母親は
そんな検査があると知った瞬間に
「どこで受けられるの? それ、いくら?」と聞いたそうな。

Colorado州Boulderで Atlas Sports Geneticsという会社がやっているDNA検査。
149ドル。

ACTN3という遺伝子を調べることで
短距離とかフットボールなどスピードとパワーの競技に向いているか
長距離などの耐久スポーツに向いているか
その子が生まれつき持っている運動能力の傾向が分かる……とのことで。

ACTN3でそんなことは分からないし、
こんな商売は“ガマの油売り”まがいの行為だと
批判する遺伝子治療の専門家もいるのだけれど、

大学の奨学金獲得やプロのスポーツ選手としての成功を夢見る親たちに
たいそう好評なのだとか。

冒頭の母親は
「そんなテストを受けたら
子どもが限られたスポーツしかせず
 経験の種類が狭められてしまうと考える人もいるかもしれないけど、
その子に適したことをやらせるのはいいことだと、やっぱり思いますよ。
その検査のお陰で親のフラストレーションはずいぶん減りますしね」

「子どものため」という言い訳で
実はやっぱり親自身のため……。



自分がどんな潜在能力を持ち、何に向いているかなんて、
その子ども自身の体と心が一番よく分かっている。

親が余計な情報を仕入れて
自分の頭と理屈で子どもを思い通りに支配しようとせずに
目の前の子どもが何に興味を持ち、
何をやりがたっているのかを受け止めて
そこに手を添えてやれば
その子がもって生まれた能力は一番生かされるはずだし、

それが昔から、どんな子どもであれ
子どもを育てはぐくむことにおいては
当たり前の常識というものだろうと私は思うのだけれど。