自分の気持ちを理解して受け入れる(介護者のために)

オーストラリアの介護者週間を機に、
介護者支援団体 Carers Australia のサイトから介護者向けメッセージを
何度かに分けて訳しています。

Carers Australia のサイトにある介護者ニーズのカテゴリーから

「自分を大切にする」
      ↓
「自分の健康と幸福を維持する」
      ↓
「自分の気持ちを理解して受け入れる」という項目を開くと、
以下の文章が出てきます。
2008年10月17日付です。

自分の気持ちを理解して受け入れる

気持ちそのものには正しい気持ちも間違った気持ちもありません。
介護についての感じ方は人それぞれなのですから。
一般に介護者が感じる気持ちには次のようなものが含まれます。

・ 罪悪感
・ フラストレーションと怒り
・ 愛情
・ 責任感
・ 不安
・ 悲しみと喪失感

このような自分の気持ちを受け入れて、
時間をかけて理解していくことによってストレスを軽減することが出来ます。
もしも、こうした気持ちがあまりにも強くなってどうにも出来なくなった時には
自分なりの対処方法を見つけましょう。
The National Carer Counselling Serviceや介護者支援グループが助けになります。

定期的に時間を取ってリラクセーションを行い、ストレスを解消しましょう。
自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
介護者が使っているテクニックの中には次のようなものがあります。

・ リラクセーションと瞑想テクニック
・ ポジ思考とネガ思考のコントロール方法を身につける
・ ウォーキングなどのエクササイズ
・ 評価的でない人に話をする
・ 自分の興味のあることに時間を使う

毎日の生活のリズムの中にリラクセーションとストレス・テクニックを含めましょう。
1日にほんの10分歩くだけでも効果があります。
もしも1人になりたいのであれば、ジャマされないように
今は自分の時間が欲しいことを周りの人に伝えましょう。


このような情報が日本でも広く介護者に伝えられて

例えば、思うようにならない子どもにイラだって、つい
「こんな子なんか、いなくなればいいのに」と思ってしまった時にも
自分のことを「なんて酷い母親なんだ」と責めて
自分で自分を追い詰めるのではなくて、

そういう気持ちは介護者としては、ごく当たり前なのだと知ることによって、
「私はこんなに負担の大きな子育て(介護)をしているのだから
 疲れたり状況が手に負えなくなった時に、
 そういう気持ちになってしまうのも当たり前。
 一時的にそういう気持ちになったからといって、それは本来の私じゃない」と
自分に言い聞かせて、そう考えた自分に拘泥せずに流すことができたら、
ラクになれるお母さんたちは、たくさんいるんじゃないでしょうか。

高齢者の介護をしている人たちだって同じことのはず。

また、こうした情報が介護者に届くだけでなく
介護される人・介護する人を取り巻く周りの人たちにも広く知ってもらえると、
多くの介護者の救いになると思うのです。

例えば、介護を担っている人たちが怒りや悲しみといったネガティブな気持ちを抱くのは
ごく自然なことなのだと認識してもらうこと。

それを前提に、
介護を担っている人の話を聞く時に評価的にならず、
共感的に聞くことが大切なのだということを
多くの人に理解してもらえたら嬉しい。

評価的になったり、すぐに上から目線で励ましたり、一方的な説教をして
介護者の弱音を封じ、追い詰めたり傷つけてしまう人が
世間には本当にウンザリするほど多いので。