通学バス内で自閉症児が“強姦魔”少年にレイプされる(米)

まったく、なんでアメリカでは、こうも次々とありえないはずの事件が起こるんだか。

テネシー州Knox郡での事件。

14歳の自閉症の女の子が、
性犯罪歴から「強姦魔」とされ法的後見人から「目を離さないよう」注意が出ていた18際の少年に
養護学校の通学バス(一般の学校で特別教育対象児を拾うバスかも)の中でレイプされ、
郡の教育行政の責任主体である教育委員会を相手取った300万ドルの民事訴訟が起きています。

School board hit with $3M suit
Knox News, October 28, 2008

この少女は通学バスに乗る子どもたちの中で唯一の女子で、
「悪ガキどもの中にこんな女の子を1人で放り込んだら2日と持たない」と
バス会社は最初に学校側に警告したというし、
実際に性的ハラスメントがあったので
母親も学校に苦情を申し立てたが聞き入れられず、
当日も運転手以外の大人は乗り合わせていなかった。

18歳の方は性的犯罪性向を治療する目的のカウンセリングを受けさせられており、
そのために通学バスに乗っていた。

(高校に性犯罪者の治療プログラムがあるようで、それもまた驚きです)

少年は最初から少女の障害に付け込んで
計画的に仲間と申し合わせてバスを追尾させ、
音楽を聴いているフリをしてヘッドセットで仲間と交信しながら
自分のいうことを聞かなかったらあの車の連中に輪姦させると少女を脅した、とのこと。

現在、犯罪として検察局が捜査中。
少年は現在は単独で通学させられている。

事件は予見できたとして
教育委員会を相手取って300万ドルの民事訴訟が起こされた。

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バス会社と母親の警告がなぜ対応されずに終わったのか、
現場にいる人ならだれでも危機感を抱くはずの事態が
なぜ野放しになってしまったのか、

端から見れば、どう考えても「ありえない」し「あってはならない」事件で、
その、あまりと言えばあまりの「ありえなさ」に、
いったい学校は何をしていたのだと怒りを覚えてしまうのですが、

これもまた、予算削減に締め付けられる一方の教育現場の人たちにとっては
「我々がどんな過酷な状況で働いているか分かっているのか」
「現実問題として、これ以上どうしろというのだ」という類の話なのでしょうか。


グローバリゼーション、新自由主義の過酷な弱肉強食競争に
マクロとして国際競争力を維持して生き残るために必死になっているうちに、

そしてマクロとしての人類を
より健康で、より能力に優れ、より便利に、よりロー・コストで長生きの改良型に、と
遠くはるかな夢を「早く、早く」と追いかけているうちに

実はどの国でも、足元では教育、医療、福祉が最低限の機能すら失って
崩壊しつつあるのでは──?

それは社会そのものが機能を失って
無秩序状態に陥っていくということなのだから
いくらマクロとして国が生き残ったり、
病気も障害も老化もないスーパー人類が実現したとしても
人が人として暮らしていける場所の方が先になくなってしまうということなのでは──?