「アメリカだぜ、言いたいこと言って何が悪い」とJack Black

ハリウッド映画 Tropic Thunder の知的障害者差別問題について、
ニュースやブログ記事で周辺情報は読めるものの、
なかなか映画そのものの問題シーンが見られなかったのですが、
以下のCNNニュースに問題シーンの1つがありました。


Tropic Thunderという映画はどうやら
自分を売りこむために必死で知恵を絞っては愚かしく奮闘する俳優たちの姿を描いて
ハリウッドの文化そのものを笑い飛ばそうというコメディのようですが、

売り込み策の1つとして、
Stillerが演じるSimple Jack(おバカのジャック)が
知的障害のある人間を演じてみようとしていて、
ただ、その演技はやりすぎてはいけない、と仲間が彼にアドバイスしているシーン。

フォレスト・ガンプ」のトム・ハンクスみたいに、と言っているので、
ここで使われている retard という言葉が知的障害者を指しているのは確かでしょう。

その上で、このシーンで仲間が言う Never go full retard. というセリフが
販促キャッチに使われ、Tシャツまで売られていた、と。

(抗議を受けて、いつのまにやらTシャツはネットから消えたらしいですが。)

Special OlympicsのShriver会長が
秋になって学校が始まった時に障害のある子どもが
他の子達から『オマエ、full retard?』などとイジメに遭うと案じているのがこれ。

CNNはプレミアの際に監督・脚本・主演のBen Stiller と俳優Jack Blackを捕まえて
インタビューを敢行しているのですが、
Stillerの方はまだしも「見てもらえば、映画の意図が分かってもらえると思う」と
冷静に答えているものの、
Jack Blackの発言は反発に満ちて、

Everyone’s entitled to their opinion, obviously that’s what America’ s all about. If you’ve got something to say, you are free to say it.

誰だって自分の意見くらいあるさ。
アメリカってのは、そういう国だろ。
言いたいことがあれば、自由に言っていいんだよ。

hate speech とは、決して retard とか idiot という言葉面のことじゃない。
このJack Black の発言こそが hate speech でなくて、なんだ?