欧州在住イスラム女性に広がる処女膜再生術

ヨーロッパ在住のイスラム女性の間で
民間病院で処女膜再生術を受ける人が増えている。

日ごろは西側の自由な価値観に染まって暮らしている彼女たちも、
いざ、その生き方のまま自国の文化と直面できるかというと、そう簡単ではないらしくて、

ドイツで小さな会社を経営しながら1人暮らしをしている
マセドニア生まれの女性が処女膜再生術を受けた理由は
何をしてもいいが親の顔に泥を塗るのだけは許さないと父親から言い渡されていて、
処女かどうかを確かめるために病院へ連れて行かれかねないと恐れたため。
この女性、32歳。

ことにフランスでこの問題が論争となっているのは、
先週、花嫁が処女を詐称したとして婚姻の無効を求めた花婿の言い分を
裁判所が認める判断を下したため。

2人は共にイスラム教徒で、花婿は30代のエンジニア。
この男、初夜のベッドから、まだ続いている祝宴の席に飛び出していくと
披露宴の客に向かって花嫁が処女だというのはウソだったとぶちまけて、
その晩のうちに彼女を親元に送り返したのだとか。
その翌日には、婚姻を無効とすべく弁護士に相談。

男性の求めを認めた裁判所の判断は、
処女性の重要視を尊重したものではなく、
契約違反としての判断だというのだというのだけれど
この裁判官の判断を支持した法務大臣には抗議の電話が殺到。

手術をする医者が「彼女たちに未来を与え、同時に虐待から守るためだ」と正当化する一方、
フランス産婦人科学会は道徳、文化、健康のいずれの点からも反対を表明。
「フランスでは女性が避妊と中絶を求める闘いによって
性革命を起こし、平等を勝ち取ってきた歴史がある。
処女膜にそれほどの重要性をもたせることは後退であり、
過去の不寛容への逆戻りだ」と。

はたして、処女膜再生はこの場合、解放なのか抑圧なのか──?

ちなみに、2人が結婚式を挙げた北フランスのイスラム教センターでは

「男が大バカ野郎だね。
処女じゃなかったとしても、
暴き立てて相手の面目をぶっ潰す権利はないし、
そんなのはイスラムの教えとは違う。
イスラム教ではちゃんと許しを説いている」


         
確か、イスラムの文化圏は脳死とか臓器移植に関して非常に消極的だと
どこかで読んだような気がするし、
そういう文化圏の人が処女膜再生術を受けるというのは
やっぱり並大抵の決心ではないような気がする。

たぶん命がけだという意味では、
彼女たちの切迫したニーズは臓器移植と同じかもしれないのだけど、

その一方で、そういう文化圏の人にすら、
「体にちょいと手を加えてFix !!」という感覚が浸透していくのかぁ……とも。