身の安全も大人も信じられない子どもたち(豪)

「子どもたちがこんなにも不幸な時代」のエントリーでまとめた
子どもたちの不幸に関するニュース記事に追加。

オーストラリアの調査で
子どもたちの多くが自分や周りの子どもたちがイジメや虐待に遭うことを恐れていて
その反面、それを訴えても大人は信じてはくれないと考えている。

お店やカフェで歓迎されていないのを感じるし、
家以外の場所で1人になることに危険を感じている。

もっともインターネットを通じての調査なので
一定のグループの子どもたちからの回答でしかない、という限定はあるかもしれませんが。

Many children often feel unsafe
The Canberra Times, June 9, 2008


環境ホルモンやらその他安易な薬物摂取やら貧困の放置で
子どもたちをどんどん肥満にしておきながら
まだ遺伝子操作で肥満にならない子どもを作ることを云々する大人たち。

救済者兄弟やらデザイナーベビーやら
子どもを親の欲望を満たす道具にして恥じない大人たち。

養護施設や難民キャンプで子どもたちを保護する役目を利用して
子どもたちを欲望のままに虐待する大人たち。

製薬会社から多額の顧問料をもらい、
それまで子どもでは診断されていなかった精神疾患を診断して投薬する風潮を作り、
子どもを薬漬けにする小児精神科の権威たち。

強い者の欲望が肥大し、
それらが生み出す利権だけが社会経済の力動になっていくような今の世の中、
強い者が平気で力任せで弱い者をねじ伏せ自分の欲望を満たす世の中を考えると
こんな時代に子どもたちがハッピーなはずはない、と思う。

             ――――――

子どもを持ちたいのは大人自身の欲望かもしれないけど、
子どもを持ち親になろうと一旦決める以上は、子どもは
自分のためでなく子どものために産み育てるものだろうと思うのに
子どもを産み育てることそのものが親の欲望を満たす道具になっているような気がするし

働くのは自分や家族のためかもしれないけど、
いったんある職業についたら、日々のその仕事は
自分以外の誰かのためにやってこそやりがいがあるし、
それでこそ、その職業についている誇りも持てるのだろうと思うのだけど、
いつのまにか仕事が自分の欲望を満たす手段になって、
その仕事への誇りが失われ、誇りと一緒に倫理観も捨て去られていくような気がする。

人間の欲望って
あんまり簡単に満たせなくて悩ましいくらいが、
本当はちょうどいいのかもしれませんが、
いろんな欲望が簡単に満たせるようになった今の世の中が
いまさら簡単にUターンできるのでしょうか。

でも、そろそろUターンできなければ
ハッピーでない子どもたちが作る未来がハッピーなはずもないと思う。