人工知能が人間をペットに?

2030年、2050年という将来には
自らをアップグレードしていく力を備えたスーパー・スマートな人工知能が世界を支配し、
知能の低い有機人間はペット扱いされているのだろうか。

そんな議論が、
世界中からトランスヒューマニストらが集まって開かれた
去年9月の「特異点サミット」で行われたとか。

主催はthe Singularity Institute for Artificial Intelligence Inc.(SIAI)。

この問題に関する議論の報告が以下のサイトに。


この記事によると
去年SIAIの理事に加わったRay Kurzweil
「人間もコンピューターと脳を接続して知能をアップデートして
 人間自身が人工知能と化すのだから
 そんなことは起こらない」
と、何とも安心・安泰な(?)未来予測を行ってくれたとのこと。

かのJames Hughesも出てきて、
初期的なAI(これをAIベビーと呼ぶのだそうで)の中に悪い奴が出てきて
ウェブに進入して悪さをしたらどうなるか
という話を語っているのですが、
こちらについては、何を言っているのか私にはさっぱり。
(たぶん日本語で読んでもよく分からないんじゃないか……と。)

何しろこの2人、それぞれに
「人間とコンピューターの境目がなくなる」
「人間はみんなサイボーグになっていく」
と本を書いている方々ですから。

特異点サミット2007の公式サイトはこちら

ところで、
このサイトにあるJames Hughesの紹介プロフィールを覗いてみると、
Ashley事件に登場した際に紹介されていた
「倫理と新興技術研究所ITTEの創設者の一人であり所長」のほかに、
Trinity大学で医療施策を教える社会学者だとか
The World Academy of Arts and Sciencesのフェローであるとか、
The American Society of Bioethics and Humanitiesの会員であるとか、
Yale大学の the Working Group of Ethics and Technology at Yale Universityに入っているとか、
ズラズラ書かれているのですが、
世界トランスヒューマニスト協会(WTA)でのご活躍については
一切触れられていないことの不思議。

             ―――――――


いつも不思議に思うのですが、
この人たちはメディアに登場する際には
WTAの役員だとは名乗らないし、
そういう紹介もされないのですよ。

このサミットを取り上げた以下のAP伝でも、
皆さんfuturist(未来学者? 未来予言者? 未来夢想家?)または
シリコンバレーの技術者・科学者」などとされていて、
記事を読む限りでは
特異な興味関心を共有している人たちの集まりであるというよりも、
ロボット工学とIT技術を中心にしたフツーの学者の集まりのように感じられてしまうのですが、
まさかAP通信の記者が知らないなんてことは、ないですよね。




Ashley事件で両親と医師らの擁護に登場したトランスヒューマニスト一覧はこちら

また、
Dvorskyの「グロテスク発言」を自分のブログに引用したAshley父は、
Dvorskyがトランスヒューマニストだと知っていて隠したのでは、
との疑惑を書いたエントリーはこちら