国民DNAデータベースめぐり論争再燃

6週間で5人の売春婦を殺した連続殺人犯が
5年前に窃盗で捕まった際に採取されたDNAのデータによって判明・逮捕、
21日に有罪となったことによって
国民DNAデータベースを賞賛する声が相次ぎ、
それに伴って対象が全国民に拡大される懸念の声も出て、
ここ数年の論争が再燃しているとの英国のニュース。


管轄する内務省の国民DNAデータベースに関するサイトはこちら

このサイトの説明によると
1995年に始まった英国の国民DNAデータベースは世界で最大規模。
データベースに加えられるDNAのサンプルは
犯罪現場で採取したものと収監された個人のもののみで
2005年末に340万人分。
今のところ国民全員に強制する計画はない、と書かれていますが、

犯罪解決を迅速にするために、
いっそ国民全体のDNA情報を、
という声が出ているのも事実で、
ここ数年大きな論争になっているのですね。

英国大使館の日本語サイト内にある、
全国民のDNAをデータベース化すべきとの「遺伝子の天才」の主張はこちら

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科学と新興テクノロジーの進歩によって
個人レベルで「不可能が可能になったこと」は多く、
トランスヒューマニストはそうしたことをもって
「個人の選択権が飛躍的に拡大する素晴らしい未来」を描いて見せるわけですが、

しかし、
それは同時に、
個人の集まりである国民を支配する側に可能になったことは
おそらくは個人レベルで可能になったこととは比較にならないほど多いだろうし、

しかも、その全てが国民に知らされるという保証もない……ということなのでは?