子ども病院の生命倫理カンファレンス 2007

7月13、14の両日、シアトル子ども病院トルーマン・カッツ小児生命倫理センターが小児生命倫理カンファレンス”Current Controversies: Navigating Conflicts When Parents and Providers Disagree About Medical Care”を開催したようです。



プレスリリースは冒頭で、”in the best interest of the child”とは何を意味するのか、またそれは誰が決めるのか、と問いかけています。そして “ futile treatment”、 “viability” “lethality”、 “medically necessary”、 “mandatory treatment”、 “ extraordinary means”などの用語を挙げ、それらはすべて現在の医療風土において厳密さ(precision)を欠いていると指摘しています。

様々な文化的、宗教的背景を持つ親が医療決定に主体的な姿勢を持ってきた現在、親と医師の間に起こり得る意見の不一致をテーマに、親による治療拒否、子ども保護サービスの介入、延命治療停止、障害児・者からの臓器提供などが論じられている模様。

その厳密さを欠いた用語をマジックのごとく操って多くの人を煙に巻き、世論を誘導し、アシュリー療法の肝心の議論を今のところ隠蔽しおおせている当のDiekema医師やWilfond医師が、こうした問題で何を言うのか興味のあるところです。が、プレゼンテーションが文字情報になっていないので、Webcastでは時間的・体力的・気力的にもですが、何より聴き取り能力的に苦しい……。

(今のところ、まだざっとプログラムを眺めただけなのですが、あのNorman Fostと、もう一人アシュリー療法をメディアで擁護した医師がここにもまた登場しています。)

【追記:取り急ぎNorman Fostのプレゼンテーションだけ、聴いてみました。モデレーターのDiekemaが紹介している部分も含めて、非常に面白い発言が多々ありました。またFostは冒頭で”アシュリー療法”論争にも触れています。ちょうどScientific American.comのメール討論について、この後書く予定にしていたことと直接関係してくる内容もあるので、先にそちらを出しながら、Fostのプレゼンをまとめてみます。】