米国の教師が指摘するビル・ゲイツ教育改革7つの問題点

この記事が冒頭、問題視するのは以下の状況。

The foundation’s ability to spend unprecedented amounts of money on education reform causes has recently made Gates unduly influential in the education world.
The organization supports groups that generally have an anti-union and pro-testing agenda.

前例のない額の資金を教育改革に投じることができるゲイツ財団の能力は
ここ最近、ゲイツによる教育会への度を越した影響力行使を招いてきた。

同財団は反教員組合、共通テスト支持の姿勢を持つ組織を支持している。

その実態とは、以下のエントリーで取りまとめた通り ↓
ビル・ゲイツが自分路線の公教育改革実現に“投資”したグラント一覧(2013/6/15)


そうした事態に対して、
米国の教師が立ちあがり、果敢に反論の声を挙げているのが
以下のエントリーで紹介した、Teachers’ Letters to Bill Gates.



そこで、Huffington Post紙が
このサイトに集まってきた教師からの手紙を読みこみ、
先生たちがビル・ゲイツに指摘している7つの論点を取りまとめている。

7.学校が正当に教えるべきことの中には、
 テストで測ることのできないものも含まれている。

6.教育においては、
 すべての子どもに当てはまる唯一の方法論(例えば統一テストのような)というものは存在しない。

5.教師の評価で生徒のテストの点数は重視されるべきではない。

4.教育改革論者の言うことがすべて正しいとは限らない。

3.教育改革議論には、教育の専門家である教師の声を。

2.2001年の落ちこぼれ防止法は間違っていた。

1. Common Core統一テストを導入しても事態は改善されない。




単に投入できる膨大な資金があるからというだけで
一民間団体や、一組の夫婦がその資金を通じて巨大な影響力を及ぼすことが
あちこちで弊害をもたらしている、というのは
教育の分野だけではないのでは、と思うし、

ここで指摘されているのと基本的に同じことは
その他の分野でも言えるはずだと思うのだけれど、

なぜか科学とテクノロジーや途上国での保健医療の問題では
ゲイツ財団が unduly influential になることを懸念する声はあまり聞こえてこない。

それはゲイツ財団の資金が投入される先が
「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化の利権とがっぷり繋がっている当たりだからでは、
……というのが当ブログの読みであり、また懸念するところ。


当ブログが細々と拾ってきた
科学とテクノ研究に投入されるゲイツ財団の資金と
その資金を通じて行使される不当に大きな影響力への懸念の声は例えば以下に ↓