北アイルランドの2013年第1四半期のケアラー・アセスメント報告

北アイルランドの保健省から2013年第1四半期の介護者統計が発表になっており、
以下の記事に、ケアラー・アセスメントについての概要が取りまとめられている。

今回が8回目ということなので、
2年前から四半期ごとに発表されていることになる。

私は最初、この記事を読み始めた時、
「ケアラー・アセスメントが断られたケース」というのを
HSCトラスト(英国のNHSトラストに当たると思われ)側が
ケアラーのアセスメント申請を断ったケースとしてイメージしてしまったのだけれど、

そうではなくて、
トラスト側が申し出たアセスメントをケアラーが断った、という話だった。

1.2013年1月1日から3月31日までの四半期に
 完了したケアラー・アセスメントは 1353件で、
 前の四半期よりも25%の増加。

 断られたケースは1342件で、
 こちらは前の四半期よりも5%の減少。

2.ケアラー・アセスメントの申し出の50%が断られた。

3.完了したアセスメントのうち、
 95%(1291件)は成人ケアラーのアセスメントで、
 5%(62件)が18歳未満のヤング・ケアラーのアセスメント。

4.アセスメントが完了したヤング・ケアラーは全員が16歳から17歳で、

 1291人の成人ケアラーのうち、
 71%は18歳から64歳、
 18%は65歳から74歳、
 11%が75歳以上。

5.アセスメントを受けたヤング・ケアラーのうち、
 29%は他の子どもの介護をしており、
 83%は成人の介護をしていた。

6.アセスメントを完了した成人ケアラーのうち、
 子どもを介護しているのは17%、
 成人を介護しているのは83%だった。

7.それらケアラーの介護を受けている人のうち、
 最も人数が多かったのはどのトラストでも高齢者。

8.アセスメントを断ったケアラーは1342人で
 ベルファスト・トラストの9%からサウス・イースタン・トラストの35%まで。

9.高齢の成人ケアラーのほうが若年層の成人ケアラーよりもアセスメントを断りがちで
 65歳以上では62%が断ったのに対して、18歳から64歳では断ったのは44%だった。
 断った65歳以上の619人のうち、40%が75歳以上だった。

10.アセスメントを断った理由について問うと、
 42%は、支援の必要はない、または現在の支援に追加は必要ない、
 17%は、アセスメントの時期が適切でない、
 13%は、自分をケアラーだとはみなしていない、
 9%は、受けてもメリットがない、
 7%は、介護者としての諸々はプライバシーにしておきたい、
 4%は、「その他」の理由、を
 それぞれあげた。

 また、1%は、福祉その他の給付への影響を懸念、
 7%は理由を挙げなかった。


高齢のケアラーがアセスメントを断っていること、
断った理由の中の「支援の必要がない」「自分はケアラーではない」
「(家族の)プライベートだから」など、とても興味深い。

断る人が減っているというのは
アセスメントが少しずつ浸透しているということでしょうか。

この後、Carers’ Review と 再アセスメントについてデータが示されているのですが、
その辺りの制度について分からないので、この後は省略しました。