「早期認知症スクリーニングの定期化は害の方が大きい」と専門医

East Anglia大学の認知症スクリーニングの専門家から、

今後、認知症患者の急増が見込まれることから
症状が出ていない内から認知症のスクリーニングを実施しようとの声が
英国でも上がっているが、

定期化すると、
未だ治療方法も見つかっていない中で無用な不安と混乱を招くだけで、
利益よりも害の方が大きい、と懸念の声。

「早期認知症」とは患者に症状が出る前の段階を言い、
診断は認知能力のテストと脳画像診断で行うが、
ちょっとした認知障害なら高齢者の3人に一人はあると答えるし
だからといって彼らの訴えが認知症の症状であることはほとんどない。

治療法もないのに、
症状がないうちから診断されてしまうと、
認知症というラベリングでスティグマを負い、
本人と家族の不安とストレスになるだけでなく、
職業や保険での差別にもつながりかねないし、
実際の病気が影響し始める以前からその人の人生はひっくり返ってしまう。

また医療費の面から言っても、
早期に診断される人を増やすことは無用なコスト増に繋がる。

だいたい、そんな時期から診断したって
本当に認知症になっているか、その人が生きているうちに症状が出るか、
そんな確率が明らかにできるわけでもない。



なんか、これ、読んでいると、
認知症の早期発見スクリーニングに限らず、
遺伝子診断で、これこれの病気の確率がこれこれですよ、と
知らなくてもよいことを知ってしまうことにも通じるような気がする。