同意なく生命維持停止された、と遺族がナーシング・ホームの医師を訴える(米)

そういえば、一時に比べて、
このところ、あまり聞かなくなった「無益な治療」訴訟ですが、
久々に聞いたと思ったら、ちょっとパターンが変わった――?


バルティモアのプロ野球チームでアンパイヤとして有名だったErnie Tylerさんの遺族が、
同意してもいないのに生命維持治療を停止されたとして、医師を提訴。

Tylerさんは11年1月30日に息苦しさを訴えてSinai 病院に入院。
2月3日に退院してナーシング・ホーム、Genesis ElderCare Long Green Centerに入所した。

目的なホスピスケアを受けるためではなく、リハビリだった。

ところが、その翌日、施設の Kenneth Lindyberg医師が
抗生物質血液製剤、医療検査、薬などの必要な医療を
本人の許可もなく家族への連絡も家族の同意もなしに中止した」として
遺族が訴えたもの。

家族は8日に医療が変わったことを知ったが、
別のナーシング・ホームを探すことができない内に
Tyler氏は医療中止から一週間後に死亡。

Tyler氏は事前指示書を書いていなかったとのこと。




最近あまり聞かなくなったという印象については、
ちょっと前に補遺で拾った記事で、誰だったか
テキサスの無益な治療訴訟について
あまりにも頻繁に起きるようになったので
ニュース価値がなくなって、もう報道すらされない、と
書いていたけれど、そういうことなんでしょうか。


それにしても、
07年から数年間しきりに報道された訴訟は
病院が一方的に生命維持を中止すると宣言し、
家族がそれに抵抗するべく訴えていたもの。

したがって患者はまだ生命維持措置を受けている状態で
裁判が進行し、その間の続行が命じられるというケースが多かったのですが、

今後は、一方的に中止された、という形の訴訟になっていくんでしょうか。